ー前略ー
(立花 志音:在韓ライター)
・「ウェイティング2時間」のハッシュタグが乱立する意味
ー中略ー

 今まで、韓国人は食に関しては非常に保守的だと知られてきた。ヨーロッパに旅行に行っても、団体で韓国食堂に行くというのは有名な話だった。
しかし、時代が変わり、世代が変わり、特に最近のMZ世代は、急激なグローバル化と経済成長の中で育ったために、食の境界線はなく、キムチが食べられない若者も少なからずいる。

 MZ世代とは、Z世代にミレニアム世代を合わせた韓国の呼び方で、80年代から00年生まれを指す。彼らは、典型的な成金思想だ。親たちがお金を追求することで幸せを実現できると信じ、
また実現した成功例があるために、勉強して一流大学に行って、立派な肩書きと、高級マンションと高級車を手に入れて、「周りから羨望されること」が幸せだと信じている。

 その周りから羨望されることへの欲求が、韓国人のライフスタイルを根本から大きく変えているのである。

「おまかせ」料理も、美味しいものが食べたいのとともに、写真を撮ってSNSにあげて自慢したい、という気持ちがセットになっている。

 韓国人はもともと、美味しいものを家族みんなで食べるために、頑張って働いていた。しかし、そんな話は20世紀の話で、経済発展とともに消費欲も益々高まり、今や消費の動機がすべて見栄のためのように見える。

 韓国人は非常に流行に左右されやすく、何か大きな流行りものが出現すると、猫も杓子も、全国民がその流行に乗りたがる。

 その決定打は、SNSに「ウェイティング2時間」というハッシュタグが乱立していることだ。ものすごい数で、インスタグラムでは余裕で1000件を超えている。

 何かを食べるのに「2時間待ち」ということである。昔の韓国で並んで待って何かを食べるということはあり得なかった。この国で外国人が一番初めに覚える言葉は「パリパリ(早く早く)」で、
この民族が待てないのは、既に世界的に有名な話である。いくら美味しくても、「行列ができる○○屋」という言葉は韓国の辞書にはなかった。

 しかし、最近の韓国人は「映え」のために2時間並ぶという、信じられない進化を遂げた。しかも、それが日本風のオマカセであったり、日本のラーメン屋さんであったりするのだ。

・大行列も我慢する韓国人の遠隔行列アプリ

 筆者が特に驚いたのは、裏ごししたポテトサラダのようなものが、アイスクリームコーンに絞り出されたものを、2時間待ちで食べる姿だった。若者たちに絶大な人気を誇っているらしい。

 ポテトサラダが韓国に出現して20年は経っているが、たっぷりのマヨネーズで和えられたポテトサラダは韓国人には「脂っぽくてしつこい」と不人気だった。

 それは筆者には理解できる。韓国産のマヨネーズには「酢」が足りないのだ。酸味をあまり得意としない韓国人の口には、合わないだろう。

 11年前、5歳だった長男を連れて韓国に来た時、息子が言った言葉は「マヨネーズが美味しくない」だった。
だから我が家ではマヨネーズを使った料理はあまりしなくなったし、マヨネーズを使う時にはビネガーがレモン汁を必ず加えている。

 そのソフトクリームの形をしたポテトサラダを食べたことはないので、なんとも言いようがないが、最近の韓国では、コロナの収束とともにノージャパンもどこかに行ってしまって
、尹政権の間に都合のいいところだけ一時的に日本風を取り入れるという、不思議な光景が広がっている。

 一方で、デジタル先進国の韓国だけあって、黙って並んでいるだけではないようだ。昨年韓国の奥様たちとお寿司を食べに行った時に知ったのだが、韓国には「遠隔行列アプリ」なるものがある。

・韓国人が怒る遊園地の優先入場パスは不公平か?
ー後略ー

全文はソースから

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/74757