韓国軍は、北韓の新型ミサイルに対応するため、「韓国型サード」と呼ばれる長距離地対空ミサイル「L-SAM」を改良した「L-SAM2」の開発に乗り出すことになりました。

防衛事業庁は25日、防衛事業推進委員会を開き、長距離地対空ミサイル「L-SAM2」の開発を決定しました。

現在開発が進められている「L-SAM」の迎撃可能高度は40kmから70kmですが、「L-SAM2」は40キロから150キロと、防御範囲がおよそ3倍に広がるということです。

北韓は、おととしと去年、極超音速ミサイルを試験発射しています。

通常の弾道ミサイルが放物線を描きながら落下するのとは異なり、極超音速ミサイルはマッハ5以上の速度で、胴体にある翼を利用して滑空し、低い高度で目標に向かって進むため、従来の弾道ミサイルより迎撃が困難とされています。

「L-SAM2」の開発計画には、極超音速ミサイルが滑空飛行している状態で迎撃する誘導弾を、世界で初めて確保することも盛り込まれています。

防衛事業庁は、およそ2兆7000億ウォンを投入し、2035年までに「L-SAM2」の実戦配備を目指すとしています。

防衛事業推進委員会では、「L-SAM2」とは別に、およそ2兆8000億ウォンを投じて2034年までに中距離地対空ミサイル「M-SAM3」を戦力化する案も議決されました。

防衛事業庁の関係者は、韓国のミサイル防衛システム(KAMD)を高度化することで、北韓の核とミサイルの脅威に対する抑止能力が向上すると期待しています。

KBS 2023-04-26 11:48:04/Update: 2023-04-26 11:52:11
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