大ヒットの背後に透ける中国当局の思惑

 中国で『長空之王』という映画が大ヒットしている。
内容は主人公が人民解放軍の最新ステルス戦闘機のテストパイロットとして過酷な訓練や挫折を乗り越え、成長していくというもの。
撮影には人民解放軍が全面協力している。

 その設定がトム・クルーズ主演の大ヒット映画に似ていることから「中国版トップガン」と揶揄されている。
戦闘シーンのほとんどが作りの甘いCGで構成されているなど、クオリティは本家に遠く及ばないものの、人気俳優の王一博を主人公に起用したこともあり、
人気は絶大。興行収入は公開から1週間足らずで5億元(約100億円)を突破した。

 「実はこの映画は'22年秋に公開予定だったのですが、それを習近平主席が止めたという説があります。
というのも、劇中では米国が仮想敵国として描かれていますが、当時は習近平が3期目に移行する時期にあたり、
米中関係を見直す可能性が共産党内で検討されていたからです。
今年になって改めて公開されたということは、政権が対米強硬路線を堅持したという見方もできます」(中国事情に詳しいジャーナリストの福島香織氏)

 劇中の山場は主人公が米軍主力戦闘機F-35と思しき敵機を空中戦で追い詰めるシーンで、その際に米国アクセントの英語も聞こえてくる。

 中国当局がこの映画をプロパガンダとして利用して「強軍路線」を正当化し、愛国精神を訴えているのは間違いない。
しかし、あまりの盛況ぶりには不気味さを感じる。

 「ここまでヒットを記録しているのは、愛国教育を兼ねて、監督や俳優が小学校や中学校に赴き、校内で鑑賞会を行っていることが大きい。
こうした上映会も観客動員数にカウントしているのでしょう」(前出・福島氏)

 とはいえ、「仮想敵国」の映画をパクってしまっては、その愛国心にもケチがつきそうだが。

 「週刊現代」2023年5月20日号より
5/15(月) 6:03配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/991ae0fed8405b4a9dee1fe358e5c0296974334f

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