視察団長「国民を安心させるのも私たちの役割 見たものが何なのか説明すれば国民も信頼するだろう」

 福島第一原発の汚染水の管理状況を点検するための韓国政府の視察団が21日、5泊6日の日程で出国した。
「科学的な根拠と基準をもって(原発汚染水の)安全性を確認する」というのが視察団の立場だが、汚染水試料の採取もできないなど、
今回の視察団派遣が事実上、見学水準であることについて、野党を中心に批判の声があがっている。
与党は「野党が国民の不安と反日を扇動している」として政府を擁護している。

 視察団長に就任したユ・グッキ原子力安全委員長はこの日、仁川(インチョン)国際空港で記者団に対し、
「(今回の視察は日本による)福島第一原発の汚染水放出計画が適正かどうかを全体的に検討する過程の一つだ」とし、
「現場で確認すべき部分を点検してくる。どこにも傾倒することなく、科学的な根拠、基準をもって安全性を確認していく」と述べた。

 ユ団長を含め21人で構成される視察団は、22~25日に汚染水の浄化および処理の過程などを点検し、26日に帰国する。
ただし視察団は日本に独自の検査機器を持っていくわけではなく、現場での汚染水などの試料採取も行わない。民間の専門家も排除されている。
視察団が日本政府の汚染水放出に正当性を与える「付き添い人」として悪用されると懸念される理由はここにある。ユ団長は「国民を安心させるのも私たちの役割だ。
科学的アプローチを通じて私たちが見たものが何なのか、さらに確認すべきことは何かを十分に説明すれば、国民も非常に信頼するのではないかと思う」と語った。

 共に民主党は視察団派遣の実効性を問題視する。
カン・ソヌ報道担当はこの日、国会でブリーフィングを行い、「視察団の5泊6日の日程のうち、現場視察はたった2日」だとし
「国民を安心させるのは福島第一原発の汚染水の『確認』ではなく『検証』だ。単に日本側が示すとおりに確認だけしろと国民が税金を払ったわけではない」と批判した。
イ・ジェミョン代表は20日、市民団体の主催する「日本放射性汚染水海洋投棄阻止全国行動の日」の集会に参加し、
政府与党に対して「汚染水ではなく『処理水』だとか、試料採取は必要ないだとか、飲み水として飲んでも平気だとか、『たわごと祭り』をするのは正しくない」、
「日本政府は金がもったいないから、隣国が被害を受けようが受けまいが、世界中の海が汚染されようがされまいが、
捨ててしまえばよいのだろうが、大韓民国の大統領と政府がそれに同調する理由はない」と述べた。

 一方、国民の力のユ・サンボム首席報道担当は21日に発表した論評で、「民主党の街頭扇動は単なる迷惑」だとし、
「(2021年の)党大会での資金封筒疑惑と『キム・ナムグク・ゲート』(仮想資産投機疑惑)に触発された国民的非難の目をそむけさせるのが目的」だと述べた。
そして「政府はもちろん、世界中が科学的証拠にもとづいた理性的対応に取り組んでいる」と付け加えた。
ソン・ヒョンス、イ・ウヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

登録:2023-05-22 07:20
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/46804.html

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