ニューズウィーク日本版 2023年6月2日(金)19時40分
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<非難の矛先はコンサートに行った中国の芸能人にまで......>

K-POPアーティストとして世界的な人気を誇るBLACKPINK。現在ワールドツアー「BORN PINK」で各国を飛び回っている彼女たちが、
ツイッターで投稿した1つの単語のために中国のネットユーザーたちからバッシングを受けている。JTBC、ファイナンシャル・ニュースなど韓国メディアが報じた。

・マカオのファンに感謝のメッセージで炎上

5月20・21日、ワールドツアー「BORN PINK」マカオ公演を成功させたBLACKPINKは、5月29日公式ツイッターで公演を終えた感想を伝えるツイートを投稿した。

We were deeply touched by our Macanese BLINKs this week. Thank you for all the heartfelt support. We are truly blessed to have you guys. 520 forever BLINKs??

「私たちは今週、マカオブリンク(ブリンク=BLACKPINKファン)に深い感動を受けた。心のこもった応援に感謝する」と英語で感謝の気持ちが盛り込まれたメッセージだ。

ところが、このツイートが公開されると、一部の中国ネットユーザーたちがコメントで悪質な書き込みを始めた。
彼らが問題にしたのはBLACKPINKがコンサートに参加したファンを"マカオブリンク"と表現したためだ。

【動画】BLACKPINK、中国ネット民から集中砲撃
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/06/post-101801.php

・"中国のファンに感謝しなさい"コメント乱打

中国のネットユーザーたちは、中国語、英語などで「マカオのファンではなく、中国のファンに感謝しなさい。
マカオのファンだけでなく、多くの中国ファンもあのコンサートに参加した」
「私たちは、マカオのファンでなく中国ファンだ」「マカオではなく、中国だ」「マカオ、香港、台湾は中国に属する」などのコメントを付けた。
中国政府が中国大陸と香港・マカオ・台湾は不可分な一つのものだと主張する「一つの中国」政策を強調する意図のコメントだ。

・中国の芸能人たちもやり玉に

中国のネットユーザーたちは、それだけに止まらず、BLACKPINKのマカオ公演を訪れた中国の芸能人たちにも非難の洗礼を浴びせているという。

BLACKPINKのファンであることを公言している中国トップスターのアンジェラベイビーは1月の香港公演に続き、今回のマカオ公演も訪れていた。
これに対して嫌韓感情をもった一部の中国ネットユーザーたちは、彼女に対して悪質な書き込みを浴びせたという。
彼女の微博アカウントには「中国人俳優が韓国ガールズグループのコンサートになぜいくのか」などの悪質な書き込みが投げかけられ、
一部の中国ネットユーザーは彼女を「売国奴」とまで呼び捨てた。

彼らはまた、BLACKPINKのコンサートを訪れた中国の芸能人たちを「ブラックリスト」と呼ぶリストに追加し、
彼らが出演した作品に対するボイコット運動まで予告したという。

・事態収集に乗り出したが......

中国のネットユーザーたちの集中砲火が続くと、BLACKPINK側は、問題の発端となった「マカニーズ」という単語を地名の「マカオ」に修正した。

ところが、中国の官営メディアまでネット民に加勢し、炎上に油を注ぎだした。環球時報英語版グローバルタイムズは5月31日の夜
「BLACKPINKの謝罪にもネットユーザーたちの非難が収まっていない」と報道。
また、そのなかで「意図的に中国人という言葉を使わなかった」として、BLACKPINK側への確認すらせずに中国ネット民の主張をそのまま引用報道した。

こうした一連の動きについて韓国メディアは、G7首脳会議、台湾問題などで韓国と中国との外交関係が悪化したのに伴い、
嫌韓ムードが再燃し、ネットユーザーまでも影響を受けているのではないかと分析している。
ー後略ー

全文はソースから
https://www.newsweekjapan.jp/stories/culture/2023/06/post-101794_1.php