在日コリアンが暮らす京都府宇治市のウトロ地区(約2・1ヘクタール)で19日、一帯に残る家屋の解体に向けた作業が始まった。
市は9月下旬頃の作業終了を目指している。
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 市が解体するのは、2021年の放火で全焼した家屋など約30棟。
この日は朝から、焼けた家屋周辺で足場の設置やゴミの搬出などが実施された。
また、ウトロ平和祈念館のメンバーが、放火された家屋の柱などを保存するために、一部を祈念館に運んだ。

 地区を巡っては、2000年の最高裁判決で住民らに立ち退きが命じられた。
住民側は韓国政府の支援や寄付により土地の一部を購入し、市などが市営住宅を整備。
17年に1期棟、23年に2期棟が完成し、52世帯が入居して暮らしている。放火された家屋は当時空き家だった。

 祈念館の田川明子館長は「(市営住宅に入居して)人間らしい衛生的な暮らしになったのはとても良かった。
ただ、(歴史的な意味で)象徴的な作業員宿舎などが解体され、消えてしまうのは残念」と話している。

2023/06/20 10:28
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230619-OYT1T50267/