韓国ではデマや作り話のことを〝ケダム(怪談)〟というが、そのあれこれを振り返ってみると面白い。
李明博(イ・ミョンバク)政権時代に「韓国人の体質は狂牛病にかかりやすい」とするテレビの〝怪談〟で
反米・反政府デモが激発したことは有名だが、
在韓米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD・サード)」の配置をめぐる〝チャメ怪談〟も記憶に残る。

「チャメ」とはマクワウリのことで(キョンサンプクト)・星州(ソンジュ)が産地で有名。
この星州が「サード」の配備先になったため、
現地では基地のレーダー波がチャメの栽培に悪影響を与え名産物がダメになるとの〝怪談〟が流布され、反対デモが起きた。
スーパーで山積された黄色いチャメは夏の風物詩なので、夏になると思い出す。

批判ばかりされていた安倍晋三首相(当時)が、日本統治時代の最後の朝鮮総督だった「阿部信行」の孫だとする怪談も印象深い。
漢字が分からなくなっているので「アベ」で一緒にされてしまったのだ。日本がらみの〝歴史怪談〟は山ほどある。

そうあるべきだ、そう思いたいという心理が作用しているわけだが、近年とくに政治勢力による悪用、扇動が目立つ。
本来、デマはメディアがたしなめるべきなのに逆にあおっている。
今年の夏はもっぱら〝フクシマ放射能怪談〟でにぎわっている。(黒田勝弘「ソウルからヨボセヨ」)

6/24(土) 7:30配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/39860f420e20bf542fca8e2d8ecef6dffbd0ba31