今年に入り、NATO加盟国によるアジア地域展開が活発化している。その理由は、インド太平洋地域の平和と安全を守るためだ。

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横須賀基地に停泊中の伊海軍「モロシーニ」

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東京港へ入港を目指す仏海軍「ロレーヌ」

ヨーロッパから太平洋地域は遠い。しかしながら、NATO加盟国には、守るべき理由が存在している。
在日フランス大使館は、「インド太平洋は世界のGDPの60%近くと人口45億人が集中する地球の新たな中心。
インド太平洋で進行中の変化≠ヘ、われわれの繁栄と安全に直接的な影響を及ぼす」と声明を発表している。

ここでいう変化≠ニは、言わずもがな中国による覇権主義的侵略によるインド太平洋地域の支配だ。
フランス政府はあからさまに中国を名指しはしていないが、考慮している存在であると明かしている。

中国は、すでにいくつかの海域で実効支配を強め、それはもはや船舶の安全なる航行を妨げている。

NATO加盟国内の中でも、フランスは特にこの状況を看過できない。というのもインド太平洋地域に7つもの海外領土を有しているからだ。
そしてそれら地域に海軍艦艇や陸上部隊を常駐させている。
ポリネシアを母港とするフリゲート「プレリアル」は、今年2月から大規模な太平洋地域展開を行い、
その途上となる4月21日に横須賀へと寄港し、その後日仏共同訓練を実施している。
さらに5月30日には本国のトゥーロン海軍基地から最新鋭ステルス駆逐艦「ロレーヌ」が来日。
太平洋上で米空母「ロナルド・レーガン」も参加する日米仏共同訓練を実施した。

さらに6月21日にはイタリア海軍最新鋭フリゲート「モロシーニ」が来日。こちらも本国ラ・スペチア海軍基地からの大遠征だ。

この流れは海軍に留まらない。7月26日から29日にかけ、2機の「ラファール」戦闘機を含むフランス空軍が来日し、
新田原基地(宮崎県)を中心として日仏共同訓練を実施。
8月4日から10日にかけ、4機の「F―35A」戦闘機を含むイタリア空軍が来日し、
小松基地(石川県)を中心として日伊共同訓練を実施。

こうしたNATO加盟国の動きは日本を含む極東地域だけの話しではない。
7月22日から8月4日にかけ、オーストラリアで実施されていた多国間合同軍事演習「タリスマン・セーバー23」には、
イギリス、フランス、ドイツも参加している。こちらには主として陸軍を派遣し、各国と実弾射撃を含む各種訓練を実施した。

さらに2024年には、イタリア海軍空母「カブール」がインド太平洋展開することが決まっており、
その長期航海の途上、日本への寄港も予定されている。

NATOによるインド太平洋地域での軍事プレゼンテーションはますます拍車がかかっていくもようだ。
■菊池雅之

夕刊フジ 2023.8/18 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20230818-6VMCISUQ55MC5LBFYFA5MNJOXM/