2008年のグローバル金融危機の引き金となった米投資銀行リーマン・ブラザーズの破産が、今日で15年になった。
15年前、危機脱出の優等生に挙げられていた韓国経済は、天文学的家計負債と低成長の泥沼に陥り、
劣等生に転落しかねないという警告音が高まっている。
パンデミックの危機を経た世界経済が、米中覇権をめぐる対立とウクライナ戦争、物価高の脅威などで渦巻く中で、
突破口を見出せなければ、さらに深い泥沼に陥るだろうという懸念が大きい。

韓国は、金融危機の衝撃で2009年の成長率は0%台へと一時墜落したが、積極的な財政・通貨政策、
特にウォン安ドル高政策を通じた輸出拡大で、早期に危機を克服した。
しかし、15年が経った現在、大型危機がないにもかかわらず、今年と来年は2年連続で1%台の低成長が予想される。
通貨危機後、25年ぶりに「失われた20年」の日本より成長率が低くなるという衝撃的予測まで出ている。

この間、中国市場と半導体特需に頼ってきた「輸出韓国」の弱点が、対内外の複合危機の中、そのまま露出している。
輸出が低迷すれば内需が持ちこたえなければならないが、家計も政府も借金に押されて困っている。
特に1860兆ウォンを突破した家計負債は、いつ爆発するか分からない導火線になって久しい。
15年間、韓国国内総生産(GDP)比家計負債の割合は35%ポイント以上急増したが、
世界主要国の中で中国に続き2番目に高い数値だ。
GDP比政府負債の割合は2倍に跳ね上がり、景気刺激の支えになる財政余力も弱まっている。

問題は、韓国経済が直面している乱気流は一時的状況に止まらず、構造的に固着化するリスクが少なくないという点だ。
半導体産業は、これ以上圧倒的優位を期待しにくく、中国経済は危機論が高まっている。
家計負債を抑制するためには強力な通貨緊縮に乗り出さなければならないが、低成長の固着化により、これさえも容易ではない。
借金に苦しむ家計が増えれば消費は萎縮し、経済活力はさらに落ちるしかない。

労働・規制・年金・教育全般の構造改革を通じて経済体質を改善し、競争力を高めること以外に脱出口はない。
これを通じて生産性を高め、革新生態系の基盤を拡大しなければならない。
さらに、家計融資の不健全化と脆弱世帯の倒産が経済の足を引っ張らないよう、
家計負債の増加傾向も最大限抑制しなければならない。
今の危機シグナルを、経済だけでなく政治、社会など国全般を丸ごと変えろという警告として受け入れなければ、
「失われた20年」はまもなく韓国の現実になるだろう。

Posted September. 15, 2023 08:20, Updated September. 15, 2023 08:20
https://www.donga.com/jp/home/article/all/20230915/4429171/1