2023/10/04 9:00
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なぜ中国のビルはすぐ倒壊するのか…習近平の目玉政策の裏で進む「利権化」と「おから工事」の実態
失業対策が汚職の温床になっている
PRESIDENT Online
福島 香織
フリージャーナリスト
中国のビルが突如崩壊するケースがしばしば報じられているが、なぜ起こるのか。ジャーナリストの福島香織さんは「中国ではインフラ建設が共産党末端の利権化しており、
労働法が無視されているので労災が多い。中国共産党は人民を消耗品としかみなしていない」という――。
※本稿は、福島香織『習近平「独裁新時代」崩壊のカウントダウン』(かや書房)の一部を再編集したものです。






習近平政権の失業対策が物議

中国経済の問題として、習近平第3期目で最も深刻なものの一つが失業問題だ。

すでに若者の4人に1人が失業という深刻な状況に陥っている。中国国家統計局が2023年5月16日に発表した4月の16〜24歳の失業率は、20.4%だった。

この失業問題対策として習近平政権が2023年2月に打ち出した「以工代賑」政策がなかなかにひどいと物議をかもしている。

「以工代賑」とは、中央政府によるインフラ工事などで雇用を創出する貧困・失業対策である。1984年以降、繰り返し行われ、すでに1750億元以上が投じられている。
この政策のガイドラインとして発布された管理弁法は2014年に修正されてのち、今年2月1日に修正され3月1日から施行されることになった。


インフラ建設で貧困弱者層を救済
https://president.jp/articles/-/74368