中国中央テレビ(CCTV)が9日に放映した春節特別番組の舞台に人民解放軍第66477機甲部隊の将兵が小銃を持って登場し、軍歌を合唱した。1983年の初放映から42回目を迎えた春節の大型演芸娯楽番組「春節連歓晩会」(以下、春晩)に実戦部隊が登場したのは今回が初めてだ。

中華圏メディアによると、『決勝』と題した順序で、解放軍将兵がヘルメット・戦闘服を着用し、小銃を持って一糸不乱に隊列を変えながら軍歌を合唱した。番組の字幕によると、公演には解放軍文化芸術センター所属の文芸軽騎隊の他に、第66477部隊が出演した。韓国でいえば首都防衛司令部のような働きをする北京衛戍部隊所属の第66477部隊は北京に駐留する機甲部隊だ。特に中国軍のうち外部にその存在が公開されることはほとんどない。北京を訪問した外国軍高位将軍か西側軍隊将軍に限って主に公開される部隊だとシンガポール聯合早報が12日、伝えた。

この報道によると、春晩にはこれまでも毎年解放軍関連のプログラムが含まれていた。ただし、過去に出演した解放軍はほとんどが三軍儀仗隊や文芸兵科所属部隊だった。この他に宇宙軍が出演したことがあるが、実戦部隊が完全に軍装をして舞台に立ったのは今年が初めてだ。特に舞台背景に新型戦闘機やタンク、潜水艦が登場して海岸上陸作戦とミサイル一斉射撃場面を流すなどしたが、戦争の雰囲気が濃厚に漂っていた。

米国サウスカロライナ大学エイケン校の謝田教授は「正月の特別公演の背景画面に海岸上陸やミサイル一斉射撃の場面が含まれたのは台湾を威嚇しようとする狙いがあるとみられる」とし「同時に米国に中国共産党の野心を示そうとする色合いも含んでいる」とボイス・オブ・アメリカ(VOA)に話した。中国インターネット上では「もうすぐ戦争が始まるのではないか」と戸惑う反応も多かったとラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

今年の春晩には中国の西部国境都市であるカシュガル市でも大規模な公演が繰り広げられた。新疆の独立を主張するテロ活動が多かった新疆南部地域に春晩のステージが設置されたことも42年間で初めてのことだ。現地の治安が大幅に改善されたことを誇示すると同時に、西欧社会が中国の新疆対テロ政策を「ジェノサイド(集団虐殺)」等として攻撃することに対する反撃の性格を持つという分析も出てきた。華やかに飾り付けられた現場舞台にはウイグル族出身の女優が伝統踊りを踊り『新疆は素晴らしい場所』を歌った。

中国官営新華社は今年春晩が興行に成功したと評価した。9日午後8時(現地時間)から4時間33分間にわたり放映された『春晩』生放送視聴者は6億7900万人、視聴回数は15億100万回で前年より12.69%増加した。平均視聴率は過去6年間で最高水準の29.5%を記録し、瞬間最高視聴率は34.49%を記録した。2014年『春晩』にはドラマ『王冠をかぶろうとする者、その重さに耐えろ―相続者たち』に出演した韓流俳優イ・ミンホが出演し、『花より男子』の主題歌『情非得已』を韓国語と歌ったことがある。

中央日報日本語版 2024.02.13 07:52
https://japanese.joins.com/JArticle/314922