(ブルームバーグ): ムーディーズ・レーティングスは中国の不動産開発会社、万科企業の格付けを投資適格級からジャンク級に引き下げ、さらなる格下げの可能性を警告した。住宅販売の落ち込みと資金調達の不確実性により、信用メトリクスと流動性が悪化するとみている。

11日夜の発表資料によると、ムーディーズは万科の発行体格付け「Baa3」を取り下げ、「Ba1」のコーポレートファミリー格付け(CFR)を付与した。同社の全ての格付けを引き下げ方向で見直しているという。

ムーディーズのシニアバイスプレジデント、曾啓賢氏は今回の格付け変更について、「中国における不動産市場の低迷が長期化する中、万科の売買契約が減少し、資金調達へのアクセスを巡る不確実性が高まっていることから、今後1年から1年半の間に同社の信用メトリクスと財務の柔軟性、流動性バッファーが弱まるとのムーディーズの予測を反映している」と説明した。

S&Pグローバル・レーティングとフィッチ・レーティングスでは、万科の格付けはなお投資適格級にとどまっている。両社のいずれかがジャンク級に引き下げれば、万科はいわゆる「堕天使」となり、高格付け債の投資家による持ち分売却につながる可能性がある。

最近の債務返済を巡る懸念から、万科の株価と社債は記録的な安値水準に落ち込んでいる。

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