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岡谷市役所の旧庁舎で映画「ゴジラ―1・0」を撮影する様子(「諏訪圏フィルムコミッション」提供)

長野県中部にある「諏訪地域」が、映画ロケ地として注目を集めている。同地域で撮影された作品が国内外で評価され、
聖地を巡るファンの来訪などで経済効果も。地域を挙げての協力態勢や、東京からのアクセスの良さが人気の秘密という。

第96回米アカデミー賞の視覚効果賞を受賞した山崎貴監督の「ゴジラ―1・0(マイナスワン)」は、
物語の肝となるシーンの撮影を同県岡谷市役所の旧庁舎で行った。

監督が「古いまま残っていて貴重だ」と評価したという。エキストラとして出演した同市の小口美香さん(51)は
「地元で撮影された映画を世界中の人が見てくれてうれしい」と喜ぶ。

諏訪地域は岡谷市や諏訪市、富士見町など6市町村からなる。昨年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した「怪物」や、
一昨年のスペインの映画祭で監督賞を授与された川村元気監督「百花」でもロケ地に選定。
近年の注目作の舞台となっているが、当初の道は平坦(へいたん)ではなかった。

「諏訪圏フィルムコミッション(FC)」の宮坂洋介さん(45)によると、
発足の2006年から数年間は「大規模な映画の撮影は全然来なかった」。
だが、どんな作品も決して断らず、問い合わせが入ると自ら条件に合う場所を探し回った。
次第に評価され、22年度までに100作以上の誘致に成功した。

最近では、米国や韓国など海外のファンがロケ地巡りに訪れるようにもなった。
22年度の経済効果は、同FCの試算では少なくとも約1億400万円。
諏訪市の寺島和雄観光課長は「ロケ地に選ばれると地域の魅力を伝えられる」と歓迎する。

ジャパン・フィルムコミッション(東京)の関根留理子事務局長は、東京都心から車で約2時間という利便性や、
長野県に複数あるFC同士の連携の良さなどが人気の要因と分析し
「諏訪湖を囲むように山が連なる地形に魅力を感じる製作者も多い」と話す。
宮坂さんは「長く語り継がれる映画を誘致し、諏訪を歴史に刻みたい」と語った。

2024.3/21 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20240321-RZ3VFNU66NLXBBRDKI5GCSPRWI/