【シンガポール=森浩】フィリピン沿岸警備隊は30日、南シナ海で同日午前、比公船2隻が中国海警局の船舶から放水を受け、うち1隻が損傷したと発表した。南シナ海では領有権を巡って中比の摩擦が激化しており、中国船による比側への妨害行為が常態化している。

 放水があったのは、南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)。比公船は付近の海域で自国の漁船に燃料や食料を提供する活動に従事していたという。放水によって、比公船の手すりなどが損傷した。沿岸警備隊は「嫌がらせや挑発的な行動」があったとしている。

 中国海警局は30日、スカボロー礁付近で比沿岸警備隊の船舶を「追い払った」と発表した。

 スカボロー礁付近は豊かな漁場として知られ、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にある。中国は2012年から実効支配を続けており、障害物を設置するなどして比船の航行を妨害している。

産経新聞 2024/4/30 16:31
https://www.sankei.com/article/20240430-JJUAEE4BTFO2TDI3SXYTJTW2NM/