韓国の安保関連の専門家らは、3人に1人の割合で独自の核武装に賛成し、一般人より賛成率が大幅に低いという米シンクタンクのアンケート調査結果が出た。

 戦略国際問題研究所(CSIS)は1月15〜3月17日、韓国の研究者やシンクタンクの専門家、企業家、国会議員、前職・現職官僚など「戦略分野エリート」1千人を対象にアンケート調査を行った結果、34%が核武装に賛成したと29日に発表した。賛成した人のうち54%は米国との核共有や米国の戦術核兵器の再配置より、韓国の自主的な核武装を支持すると答えた。「核武装に反対」(53%)、「よく分からない」(13%)という意見は66%だった。

 「韓国が核兵器を確保しなければならない」という意見を示した専門家たちは、自分の政治的なスタンスを保守または中道保守と答えた人が68%に達した。中道は22%、革新または中道革新は10%だった。これに比べ、核武装に反対する専門家の中では保守・中道保守と革新・中道革新がそれぞれ36%で同じく、中道が28%だった。

 CSISは「欧州と中東戦争、中国の攻撃的行動、北朝鮮の大量破壊兵器開発に直面した韓国では、過去にはタブー視された独自の核能力の保有に対する議論がますます公開的に進められている」と述べた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が、韓国はその気になれば核開発ができると発言したことも、タブーを破ったものだと評した。しかし、同研究所は韓国の独自の核開発について、大衆を対象にした世論調査で多くは76%まで賛成率が出たことに比べると、専門家たちの核武装への賛成率はかなり低いと分析した。

 韓国の専門家たちは核武装に反対する理由として、43%が「経済制裁、国際ルール違反に伴う評判の低下」を挙げた。26%は「韓米同盟の毀損、核兵器の獲得による副作用」、20%は「朝鮮半島での核兵器競争の触発」、10%は「中国とロシアなど周辺国からの安保脅威の増大」を示した。

 しかし、CSISは「反対の立場は無条件的なものではない」とし、在韓米軍の撤退などで米国の安保コミットメントの撤回が可視化すれば、反対する人の多くが核武装に賛成するという立場を示したと説明した。「アメリカ・ファースト(米国第一主義)政策が今年11月にホワイトハウスに復帰した場合、あなたの韓国核武装に対する支持にどのような影響を及ぼすか」という質問に、反対論者のうち51%が「支持は強くなるだろう」と答えたからだ。ドナルド・トランプ前大統領が政権を取り戻し、在韓米軍の削減や拡大抑止へのコミットメントの弱体化を進めた場合は、専門家の間でも核武装論への支持が広がる可能性を示す部分だ。

ワシントン/イ・ボニョン特派員

ハンギョレ 2024-05-01 05:50 修正:2024-05-01 07:11
https://japan.hani.co.kr/arti/international/49883.html