1位 米国 10万1240人
2位 中国  2万9815人
3位 日本  2万1300人
4位 ドイツ 1万5435人
5位 カナダ 1万1010人
6位 フランス 9810人
7位 香港 9435人
8位 英国 8765人
9位 スイス 7320人
10位 インド 6380人

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(略)

 表32は、3000万ドル(日本円にして40億円程度)以上の資産を持つ人の数の国別ランキングである。超富裕層ランキングと言えるだろう。

 日本は、この超富裕層の人口が中国に次いで世界第3位である。日本はアベノミクス以降、円安が続いており、円換算での資産価値は減り続けているにもかかわらず、これほど多くの超富裕層が存在するのだ。

 しかも日本はこの超富裕層が、2017年からの3年間だけでも20%までも増加している。

 なぜ超富裕層が激増しているのかというと、日本経済は近年、一部の人への「高額報酬」を推進しているからである。

(略)

 バブル崩壊以降、日本企業が従業員の賃金を下げ続けてきた理由は、必ずしも経営が苦しいためではない。

 日本企業は、バブル崩壊以降に内部留保金を倍増させ2021年には500兆円にも達している。また、保有している手元資金(現金預金など)も200兆円近くある。

 これは、経済規模から見れば断トツの世界一であり、これほど企業がお金を貯め込んでいる国はほかにない。アメリカの手元資金は日本の1.5倍あるが、アメリカの経済規模は日本の4倍以上であることをふまえれば、日本の企業はアメリカ企業の2.5倍の手元資金を持っていることになる。

 日本企業の預貯金は、世界一の経済大国であるアメリカ企業の2.5倍にも及ぶのだ。

 また株主に対する配当も、この20年で激増し、2倍を大きく超えている。つまり、株主配当も役員報酬も激増し、会社には巨額の預貯金が貯め込まれている。それにもかかわらず、社員の賃金だけは下げ続けられたのだ。

 これでは、日本経済が停滞して当たり前である。

 企業が人件費を切り詰めれば、一時的に業績は好転する。しかしブーメランとして、やがて業績の悪化につながっていく。

 繰り返しになるが、企業が人件費を切り詰めれば、国民の収入は下がり、購買力も低下する。国民の購買力が低下するということは、企業にとっては、「市場が小さくなる」ということである。市場が小さくなっていけば、企業は存続できなくなる。

(略)

 賃金というのは、日本経済の活力源なのである。これを増やさなければ、日本経済はどんどん元気がなくなっていく。

 昨今、日本の政財界も、ようやくそのことに気づいて最近では賃上げを推進しようとしている。しかし、バブル崩壊後から続いている、先進諸国との賃金格差を埋めるにはまだ全然足りないと言える。

 人件費を30年前の倍くらいに上げないと、日本経済が本当に復活することはないと言えるだろう。日本企業は莫大な内部留保金を抱えており、そのくらいの経営体力は十分にある。このままでは日本は、巨額の財宝を抱えたまま沈没する船となってしまうのだ。

大村大次郎

全文はソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/896880b1e355bc13646ea3b9d4ae5bcf2425d4d7?page=1