(´・ω・`)ラノベの炎を吐く描写の描き込みがすごすぎる件!!!!!!

醜悪な化物の口が大きく裂ける。
奥にはちらりと闇く、紅く輝く炎が見えた。
その喉から這い出たモノは今までどれだけの悲劇を巻き起こしてきたのか。
口元に歓喜を浮かべ、奴は息を大きく吸い込み、そして死を告げる炎を吐き出した。
死神の腕が仲間たちを抱きしめんと迫る。
運命と言うものがあるのなら、そんなもの捨て去りたい。
しかし現実は残酷だった。
運命から逃れることは叶わず、死の抱擁を受け--彼らは灰と変わった。

――特撮物が好きだった。
昔よく父親に映画館に連れて行ってもらったっけ。
大迫力の大画面に、身体の芯にまで響く重低音。臨場感ある大パノラマにわくわくしていたのが懐かしい。
ビルが立ち並ぶ都市に迫りくる黒くてゴツゴツしたトカゲのような大怪獣――ゴジラは、辺りを焼き尽くすように放射熱線を口から放つ。
眼前に繰り広げられるドラゴンのブレスに、ふと、そんなことを思い出しながら、現実に相まみえたことに感動するよりも先に、僕の足は悲鳴を上げて逃げ出していた。