【ティアおじ武勇伝】

 愛遊亜(あいゆあ)帝が崩御した後、根釜(ねかま)王朝は荒廃した。
そこに一人の英雄が現れる。
彼の者に定まった名前はなく、定まった垢雲斗(あかうんと)もなく、何処より現れ女を漁り、何処なりへ消える。
一人の者であったかと思えば、複数の集団の総称でもあり、その実体は闇に閉ざされたままであった。

 いつしかその武勇のみが一人歩きし
体目当ての「体(てい)」、阿呆の「阿(あ)」、汚物の「汚(お)」、爺の「爺(じい)」から名をとり
「体阿汚爺(てぃあおじ)」と呼ばれるようになった。

 体阿汚爺(てぃあおじ)の武勇が世に響いたのは茶悦地(ちゃえっち)での戦いであった。
この戦いにおいて体阿汚爺(てぃあおじ)は開戦まもなく、崖上に陣取り崖上から敵陣へ奇襲をかけさらに矢を射掛け
敵将を散々に討ち取った。
この戦いぶりは「そのままベッドに押し倒して上からぱんぱんっ//// の如し」と言われ後世に記録が残っている。

さらに敗走する敵将の腰氏(こし)を一度捕らえ、これを放免するとその後を追い敵陣を一気に落とす活躍を見せた。
後の兵法に「裏布風影(んふふえい)、腰を掴んで1度抜いてから根元まで一気に落とすっ////べし」とあるのはこのためである。
この活躍をもって長きに続いた戦の勝利は確定し、体阿汚爺(てぃあおじ)は茶悦地将軍に封じられ、一部には童帝との呼び声までも得た。