2012年の「テンペスト」アップデートでは,3種類の新職業や新しい大陸「グランディス」を追加していったのだが……
ここにきて,ついにメイプルストーリーの人気に陰りが見え始める。
プレイヤー数と売り上げは縮小し,これを挽回するために「アンリミテッド」アップデートを行ったものの,プレイ
ヤーの大規模な離脱を止められなかったのである。

Wonki Kang氏は,この原因として,職業間のバランス崩壊やプレイ難度の上昇,過度な課金誘導,装備強化の
失敗など,さまざまな理由を挙げていた。
 とくに,2012年から2013年にかけての売り上げの下落はすさまじく,前年の半分どころか,サービス開始から
間もない2004年とさほど変わらない数値となってしまったほど。売り上げの推移のグラフを見るだけで,いかにプ
レイヤーの不満が爆発していたかが伝わってくる。

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2012年はテンペストアップデートの失敗で売り上げが減少。
さらに翌年は,メイプルキノコも泣きたくなるぐらい大変なことになっている

 しかし,メイプスルトーリーの開発チームは,ここで諦めなかった。一度ゲームを去ってしまった人に戻ってきて
もらうのは,非常に難しいことを理解したうえで,2013年から2015年にかけての3年間を,基盤を固めなおす期間に
定め,地道な改善に注力してサービスを立て直そうとしたのだ。
 プレイヤーと意思疎通するため,ざまざまな経路で意見を吸い上げ,キャラクターの魅力がより伝わるようシナリ
オを強化し,メイプルストーリーの面白さの根本を支えるフィールド戦闘の改善にも着手。初心者の参入の障害と
なっていた部分や,利便性の改善も継続的に続けたほか,過去のコンテンツのリメイクや,有料サービス周りのテ
コ入れなど,根本的な部分を見直し続けたのである。

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2013年から地道なアップデートを続け,少しずつ売り上げを取り戻す

こうした歴史を歩んできた本作だが,Wonki Kang氏は,基盤固めに注力した3年間の経験から,新規プレイヤーの
流入を意識するだけでなく,いかにゲームから離脱せず定着してもらうかを考えることの重要性を説いていた。
 そのためには,プレイヤーが好むコンテンツを作り,失望させないようなサービスを提供していかなければならない。
基本的なことかもしれないが,これを怠ってしまった結果,韓国で人気の絶頂にあったメイプルストーリーですら,
大勢のプレイヤーが離脱してしまったというのは,覚えておきたいところだ。

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2016年は,レジェンドアップデートがあった2011年以上の売り上げに。前年からの伸びが凄まじい。
3年間の努力が実った結果だ

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