『スイッチ植民地化計画』

モンジャール王国は古くから積極的な対外侵略による植民地化によって領土を広げてきた国家である
国家建立に際してはヴィータ半島を併合
またピエスフォ帝国を侵略、植民地化することで一気に領土を拡大し、その勢いは歴史書に「一夜にして一つの都市に13万の人間が増えた」と記されているほどである
このようにして栄華を極めた王国であったが、その隆盛は長くは続かなかった

ヴィータ半島は建国当初から複雑な地形による発展の難しさが問題視されていた
ピエスフォ帝国植民地化は王国に繁栄をもたらした一方、そのことに気をよくした国王の悪政により国民の多くが他国に亡命する結果となってしまった

そして国王は第三次植民地化計画、すなわち『スイッチ植民地化計画』に着手する
スイッチ公国は豊かな国ではあるがモンジャール王国に好意的な国民の数は少なく
発表された当初より過去の併合のようにうまくいかないのではないかと不安視する声が大きかった
しかし国王は頑強に政策を推し進め、王都とスイッチ公国の中継地となる都市クラウドの建設などに多額の国家予算を投じた
そしてスイッチ公国を植民地とする法律が交付された日、クラウドに移住した住民は僅か数百人、街の様相はまさにゴーストタウンのようであった
多くのスイッチ公国民はクラウドに移住することも、王国の国民になることも受け入れなかった
この有り様は王国民はおろか自由都市ファンダッタージのレジスタンスたちにすら予想外であり
王国の行く末に暗い影を投げかける大失政となった