「会見やったらどうせ批判」首相周辺漏らす 公明は不満

公明党からも不満噴出

全閣僚がメンバーの対策本部会合では、首相は全国的なイベントの自粛や全国一斉の休校要請など、これまでの方針を一転させる新方針を段階的に打ち出してきた。
しかし、詳細な内容やそれによって生じる国民生活の影響などへの対応策はなく、いわば「言いっ放し」の状態が続いていた。

政府が25日に決定した基本方針も首相ではなく加藤勝信厚生労働相が発表していた。首相周辺は「首相が会見をやったらやったでどうせ批判される」と語り、
対策の困難さが批判となって首相に向かうことを懸念していた。
ただ、こうした首相の姿勢には、連立を組む公明党からも不満が出ていた。
2月6日、27日と相次いで首相に提言を申し入れ、記者会見などでの情報発信を求めた。
同党幹部は「一度要請してもなかなか会見しないので、二度目にも会見するよう提言に盛り込んだ」と語る。

そこに、首相自身が表明した休校要請で社会に混乱や不安が広がった。政府高官は「言いっ放しだけではさらに批判が高まりかねない」と、
首相が会見に臨んだ内幕を漏らす。官邸関係者によると、この日の会見は低姿勢で臨むように心がけたという。

この日の会見は午後6時から始まり35分程度で終了した。「まだ質問があります」と手を挙げる記者の姿もあったが、
司会進行役の官邸幹部が「予定していた時間は過ぎている」として会見は打ち切られた。首相はその後、まっすぐに帰宅した。

低姿勢で臨んだ会見だったが、首相が示した内容では、突然の休校要請に社会が対応できるかどうか見通せない。

https://digital.asahi.com/sp/articles/ASN2Y6S4RN2YUTFK005.html?ref=amp_login