10カ国の首脳を比較
米調査会社モーニング・コンサルトは、新型コロナ危機の勃発以降、世界10カ国(オーストラリア、ブラジル、カナダ、ドイツ、フランス、インド、日本、メキシコ、英国、米国)の
大統領や首相の国民からの支持率を独自に継続調査し、その推移をホームページ上で公開している。

モーニング・コンサルトが出している支持率は、「支持する」から「支持しない」を引いた正味の支持率で、
「支持する」が「支持しない」を上回ればプラス、逆に「支持しない」が「支持する」を上回ればマイナスとなる。

10カ国の指導者の支持率の推移を示したグラフのタイトルが「新型コロナの大流行が続く中、世界のリーダーの支持率は高水準を維持」とあるように、10カ国中、7カ国の首脳が4月14日現在、プラスの支持率を維持。
また、年初に比べて支持率が上がっている首脳も7人いる。

豪独など支持率上昇
4月14日時点の支持率が最も高いのはインドのモディ首相で、支持率は+68。10カ国の中では断トツだ。もともと高いが、3月中旬以降、さらに上積みしている。

支持率の上げ幅が大きいのは、オーストラリアのモリソン首相、ドイツのメルケル首相、カナダのトルドー首相など。
モリソン首相は、国家が総力を挙げて新型コロナに立ち向かうため、3月13日、同国初となる「国家内閣」の立ち上げを決断。また、早期に外国人の入国禁止に踏み切るなど強力なリーダーシップを発揮してきたことが、支持率の大幅上昇につながったようだ。
同首相の支持率は1月1日には−26だったが、4月14日には+26と、52ポイントも上がっている。

ドイツは、新型コロナの感染拡大に備えて医療体制を早くから整え、その結果、致死率を非常に低く抑えられていることなどが、メルケル首相の手柄と見なされているようだ。
フランスのマクロン大統領は、4月14日時点の支持率が−21と10カ国の首脳の中では2番目に低いが、それでも1月1日時点と比べると14ポイントも高い。
3月16日に、罰則付きの外出禁止令を発令、また、新型コロナとの戦いを「戦争」と表現するなど、リーダーとしての強い決意を国民に示したことが評価されたとみられる。

断トツのワースト1位は安倍首相

一方、同期間の支持率が大きく下落しているのは、10ポイント下げたブラジルのボルソナロ大統領と、15ポイント下げた日本の安倍首相の2人。ただ、ボルソナロ大統領はそれでも正味の支持率は+8と依然、水面上に顔を出しているが、安倍首相は−33と水面下深く沈んでいる。

感染者数、死者数ともに世界最多となっている米国のトランプ大統領は、4月14日時点の支持率が−3と、安倍首相と並んで水面下。1月1日時点の−10からは多少改善しているものの、急上昇している他国の指導者と比べると、安倍首相同様、国民からの不人気ぶりが際立っている。

この結果、支持率の水準と推移、両面で断トツのワースト1位は、安倍首相となった。

https://news.yahoo.co.jp/byline/inosehijiri/20200420-00174217/