さて、最後のデザートといえばやはりこれだろう。
UHkgcdqGの頭皮にぐるっと一周刃を走らせて毛皮を剥ぎ、頭蓋骨を露出させる。
中身を傷つけぬよう、慎重に鑿とハンマーで頭蓋骨を割っていき、中身を露出させる。
髄膜を切り開けば、綺麗な生の脳がでてきた。
道具をスプーンに持ち替える。
デザートといったら、やっぱり生きた脳だよね。
躊躇なくスプーンを突き刺すと、白濁したUHkgcdqGの眼球が滅茶苦茶に痙攣した。
水分を失った舌がだらし無く垂れ下がる。
スプーンを持ち上げると、ぷるんとした脳がすくい取れた。
口に含むと、肉のはずなのに噛みしめるまでもなく解けて行く。
舌に感じるタンパク質の甘み。
なるほどデザートだ、と独りごちる。
このために今までUHkgcdqGを死なせないように努力してきたのだ。
生きたまま脳を食らう感動はなかなか得難いものだ。
夢中でスプーンを進める内に、触れてはいけない部分を抉ったようだ。
一際大きな末期の痙攣の後、UHkgcdqGの反応が消えた。
死んでしまった。
ここまで美味しく食べられるために頑張ってくれた生命に感謝である。