SICA6090とFF105WKのfoはそれぞれ76Hzと75Hzで、ほとんど差がありませんが、低域の再現性は6090の圧勝です。
平面バッフルで低域を充実させるには大口径でQが大きいユニットが有利という、定説通りの結果ですね。

しかし中域の情報量は105WKが上で、音楽的に楽しいので、ずっと聞いていたい感じがあります。
ただレンジ的にナローな感じは否めず、オーディオ的なスリルがもう一つ。
フルレンジ派を自任する私ですが、こういう場合はSWとSTを追加してマルチウェイにするのもありと思います。
実際どちらもこれまでにないほど効いており、なかなか説得力のあるシステムになりました。
3ウェイといっても超低域と超高域を補う感じなので、幅広いレンジを受け持つFF105WKの魅力が生きています。

車用SPの方はFE88ESが意外なくらいよく鳴りました。
ややおとなしい感じはありますが、歪みが少なくバランスの良い再生です。
ただ音量が出ないのが弱点。(能率が低く、パワーも入りにくい。)

そこでロートルのFE108Sを引っ張り出し、マウントしてみました。
スーパースワン以外で使うのは初めてですが、これはなかなかいけます。
音量も出るし、メリハリもあって車内用としてはいいかもしれません。
ただFF105WKのような澄み切った音ではなく、ほんの少し紙臭い感じもあります。

車用のSPは側面開放というか共鳴管というか、ユニットは天板にマウントし、1つだけ側板が放物線状になっていて、その両サイドから音圧を逃がす形です。
この形式は開放感もあるし低域もまずまず出て癖も少ない感じがします。
大型化するとか、天板に傾斜を持たせるとかの工夫で、もっといい音が期待できるかもしれません。