>2016/09/21 06:14:30

そもそも山本耕司が若い頃に、乞食の身分に落ち込んだ理由に、度が過ぎる自尊心と異様なくらい他人を見下す性格が関係していた。

それは教育も師も拒否するぐらいの生まれながらの歪んだ自尊心だった。このもともとの性格に加え、実生活における経済格差による差別感がこの自尊心の肥大化に拍車をかけた。

二十歳の時、自らの自尊心を本山とするお山の大将になるべく、その自尊心を傷つけ続ける格差からの遮断を目的に、彼は社会格差の外に自分を置き、乞食となる人生を選んだのだ。

その処世術とは、外界である格差へは詭弁やはぐらかしや逃げ口上で、時には罵声をあびかせることで隔離壁を守り、内界の自尊心のプレイグランドを守るというものだった。

それ以降、彼は金にありそうな人間にハエのようにたかって小銭あさりをすることを生業とし、息をするごとに嘘をつくという処世術を磨いて行ったのだ。

ひとたび人とぶつかると、乞食むき出しで罵声を浴びせ、批判されるとはぐらかし、逃げ口上で逃げ出すという彼の行動パターンは、彼が筋金入りの乞食の存在である事を証明している。