>>69
いつものことだが、サントリーホール「1−3−23」ではある実験をしていた。
もしこれがAutographがあった頃のオーディオルームだとしたら……と言う空想である。私は音楽会では90%目を閉じている習慣がある。
その結果、80%(楽器の質感/トゥッティのエネルギー感etc.)は自室でAutographを聴いている錯覚に陥ったが、再度次の3点を確認した(曲はベートーヴェン交響曲9番)。

(1)第3楽章冒頭直後の第二ヴァイオリン群→→ヴィオラ群→→チェロ群→→第一ヴァイオリン群と受け渡される各ユニゾンの「前2者の、あのえもいわれね生音ならではの音」はAutographでも出ない。

(2)各楽器の定位感(placement)はAutographの圧勝。

(3)クナッパーツブッシュのワグナーの数曲においては恐怖感さえ感じたAutographの再生音が格段に優る。
五味さんが、「まるでワグナーを聴くために誰かが発明したスピーカーのようだ」と述べていたのも頷ける。