>>625
OCL 化は DC アンプ化の前段階。
OCL というのは出力コンデンサ(出力に直列に入っているコンデンサ)を
撤去したという意味だが、実は出力コンデンサの有無自体は本質ではない。
また実際には同時期に段間のコンデンサも撤去され(全段直結)、
正負2電源となっているので、±2電源・全段直結 OCL と呼ばれることが多い。

出力コンデンサがあった理由は出力に直流電圧が出ていたからで、
それも 1 V やそこらではなく、電源電圧の約半分の電圧が出ていた
(たとえば電源電圧が 30 V なら 15 V)。
要するに出力が 0 V ではなく電源電圧の半分を基点として振れており、
そんなものがスピーカーなり次段の入力に加わってはたまらないので
出力コンデンサが付いていた。
それに対して負電源を導入し、出力が 0 V を基点にマイナス側にも振れるようにして、
出力コンデンサを撤去できるようにしたのが OCL である。
これにより入出力ともに信号の基点が 0 V となり、
オーバーオールの NFB が直流までかけられるようになったため、
段間のコンデンサも廃して全段直結とし、
オーバーオールの NFB で動作点を一括して安定化させられるようになった。

これによりパワーアンプ出力からは出力コンデンサがほぼ 100% 撤去されたが、
プリアンプ出力やそれ以前の段間にはコンデンサが入っているものも多い。
これは僅かなオフセット電圧をカットするためで、 15 V とかいうようなものではない。

その後初段が FET 化され入力バイアス電流がほぼ0になると
入力コンデンサも撤去することが可能となり、
DC アンプへと進んでいくことになる。