少しは歌謡曲の話でも【5時から男のララバイ】
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歌謡曲なんて何で聴いても同じだろ!
そう思ってるアナタ。
ヌンチャクひとつで男を磨け。
前スレ:
少しは歌謡曲の話でも【四畳半・ナイトクラブ】
ttps://lavender.5ch.net/test/read.cgi/pav/1490268634/
少しは歌謡曲の話でも【御三家・三人娘】
ttp://mint.2ch.net/test/read.cgi/pav/1478948029/
少しは歌謡曲の話でも(プレイバックPart2)
ttp://mint.2ch.net/test/read.cgi/pav/1472355982/
少しは歌謡曲の話でも
ttp://mint.2ch.net/test/read.cgi/pav/1465126238 ヤフオクで買ったトーレンスの130番台、全然低音が出ないんで即お払い箱。
ただヴォーカルだけはリアル、っていうか自分のイメージしてる通りの歌手の声。
どこかで聴いたと、よ〜く思い出すとTVの音だった。
あの極端な低音不足は劣化か故障か、はたまたデフォなのか? ガラードもトーレンスも家電向けの製品を作ってたからね。
同じメーカーでもパナソニックとテクニクスみたいな違いはあるかも。
針圧が不適切とかそういうことない? ♪人生がついに終わる前に〜
持ってるソフト全て聴き直す
本当に大切なものだけ選ぶんだ
明日もオーディオ聞けるといいな〜
AKBもええぞ、泣けるでしかし!
ショーミの話しが! 寒くてレコードどころじゃないというのが本音だけど、ジャンクレコードもたまってきたので
少し聴く。まず松本伊代セカンドアルバム、、、いいよ、という感じでギブアップ体調良いときにでもまた
NSPファースト、ライブアルバム、歌い出し何だこりゃという感じで一瞬ハズレかなと思ったけど
定位、音場感、プレゼンス、声の歪み感の少なさが際立っていて、なかなか面白い。自然な音場とは
全然違う何考えてミックスしたんだって感じだけど何か狙いがあるのかと思わせる良さがある 大昔の歌謡曲LPの録音ってHighEndで聴くと絶品と云って良いのではないかなぁ... 歌謡曲の話するスレだろ
上の方の機材を長々とする奴は何なんだ、他所へ行け
歌謡曲ったら藤圭子と八代亜紀 >>125
安物のプレーヤーでかけるのを前提にマスタリングしてるからどうかねえ >>128 なんでもそうだけど、モノによるとしか言いようがない。
俺はここ一年くらいで演歌、歌謡曲のレコードを買い始めたにわかだけど、
最近買ったなかでは水原ひろし、美川憲一、青江三奈あたりのLPは音いいよ。
あと、サム・テイラーなどのサクッス奏者の歌無しも音いいよね。
ただ↑にあったハイエンドではどうなんだろ? 俺のオーディオは当時を
ターゲットにしたヴィンテージ系だから、太く前に出てくる音を目指して
るからアラが目立たないだけかもしれない。 あと音数が少なくないと無理かも。 青江三奈はパツキンのカツラ被って歌ったユービーソーが絶品
良く言えば手堅い、悪く言えば凡庸なピアノソロの後、満を持して切れ込んでくるブラウニーのラッパがサイコー 石川さゆり「花供養」LPは素晴らしい。見かけることがあれば買って損はないと思う。
18歳の時のアルバムで、1月〜12月の各地の心情を唄っていてとても心地よく聴ける。 本日の一枚、石川優子、恋愛孤独人
聞いたことあるような無いような、、、ググるとシンデレラサマーって曲がすぐ出る
やっぱ知らないwww
音は普通に良いというか好録音、良くジャケット見たらなんかシールが貼ってあって
LAレコーディング!!! おお、やっぱ舶来それもロスだよロス西海岸はやっぱええのんかのぉ >>133 実は石川さゆり1枚も持ってない。 逆差別っていうか、キレイな人は
不細工に比べて実力がなくても売れるから、つい軽く見ちゃう。
俺的には都はるみや川中美幸あたりが許容できる美人の限界。 都はるみは歌は上手いが顔は許容出来ない
川中美幸はオケ 山田くーん、これ貼っといてー
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| ここはバカ瀬戸公一朗自演隔離スレ |
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( ゚д゚)||
/ づΦ >>134
石川優子、恋愛孤独人 LPが100円で数枚あったよ 古い米国製エクステンデッドレンジで聴く歌謡曲は原点回帰のようで楽しい。
実帯域は100〜8,000Hz、AMラジオ規格に合わせて1940年代に設計され
JBL D130、D208、Altec 400B、WE 728Bなどのビンテージ品が有名だ。
現在製造中のものではJensen P6Vというギターアンプ用ユニットがあって
耐入力が20Wとタフで、分割振動も盛大に出て声にシルキーな艶がのる。
これより大きい径のP8R、P12Rは1950年代のジュークボックスにも使われたユニットで
昭和30年代の流行歌にはコスパの良い選択だと思う。
P6Vのほうは1970年代のモノラル・ラジカセと同じようなスペックで
1960年代の英米のラジオ電蓄と並んで、ポップス試聴の原器のように思う。
高域の過剰な情報でまみれた耳を洗い直すにもちょうどいいかな。 Jensen C6VはQo=1.09とダンピングが強いので
fo以下はどんなに大きな箱に入れても伸びない。
ダイトーの廉価バスレフ箱に入れてみたが
フレーム周辺を爪楊枝で浮かせてあることもあり
以下のように150Hzくらいが盛り上がるようになる。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-19370.png
これだとすごくドンシャリに感じるかもしれないが
モノラル&斜め45度から聞くとシャリシャリがしなやかになる。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-18746.png
モノラル時代のスピーカーには、こうした斜めから聴いてフラット
というのがAxiom 80を含め結構ある。
このときもパルス系の信号には過剰に分割振動を起こす。
これはリバーブのない時代に音に艶を出す技術のひとつだ。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-18861.png
つまり出音の反応はクッキリしているのに、耳当たりが柔らかい。 カマボコ型のAMラジオ特性は、タフに分割振動を出すことで
録音の骨格をしっかり出してくれる。
逆にいえば楽音の裏まで聞こえるような解像度はないが
ボーカルを中心としたバランスが崩れない。
アイドル、演歌は、テレビ、ラジオで聴き映えのする不動のバランスだ。
斜め横から聴くJensen C6Vは、イーストコースト系の音調だが
意外にロックもいける、シカゴブルースの血族でもある。
はっぴいえんど、カルメン・マキ&OZ、りりィなど
ニューミュージックと言われる以前のスタイルを巧く引き出す。
でも、ロック=アングラという感覚と合わせて聴くと
歌謡ロックと揶揄されたアレンジの闇もだんだんと広がる。
ローファイを陰影のあるサウンドと言ってみると良いかもしれない。 ロクハンと六畳間とは、いにしえからの黄金の組合せだが
Jensenのロクハンは、昭和のラジカセの正統な位置を再現する。
フォークル「紀元二千年」、あがた森魚「乙女のろまん」
ポリドール時代の中島みゆきなど
かつての深夜放送の淫靡な世界へと誘い出す。
当時のハレンチさ加減を、陰影のある表現で奏でる。
こうした語りに癖のある音楽は、1970年代の3wayなんかで
けして聴いてはいけないもので、理由はウーハーの反応が鈍く
いわゆる胸声が強く出て、セリフがモゴモゴしてくるからである。
これが昭和のラジオの正統な位置を再現する秘訣だ。 とりあえず、自分のラジカセ風システム構成を曝すと以下のようになる。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/monoralsystem22.jpg
他にも色んなアプローチがあると思うが参考になれば。
ステレオもモノラルミックスして聴いている。
サンスイトランスは昭和30年代から製造を続けているやつで
元はマッチングペアしていないトランジスターをB級プッシュプルで
動作させるためのもので、これもカマボコ特性だ。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-4328.png
個人的には、MMカートリッジ、テープヘッドなどの磁気ヒステリシスを
ライントランスは巧くだしてくれると思ってる。
これでボーカルに潤い、粘りが出てくるし、CD特有のパルスノイズも
いい感じで除去してくれる。 多くのモノラルシステムは、モノラル録音を聴き込むために構築する。
昭和30年代(1955〜64)の流行歌が主なターゲットになるが
1960年以前の録音は基本的にSP盤でのリリースで
その谷間にはラジオの黄金期が横たわっている。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-22697.png
ちょうどこの谷間が懐メロと歌謡曲の境界線となっていて
SP盤の再生機器を備えている人と、ドーナッツ盤以降のコレクターとで
大きな差となって現れてくる。
ステレオにあってモノラルにないと思われるのが音場感だが
ステレオ録音の多くは、高域のパルス波で定位感を強調する。
これは1970年代以降のスピーカーで顕著で
正面から15度でも逸れようものなら、2kHz付近から急激にロールオフする。
以下はロジャースLS3/5aの指向性
ttps://www.stereophile.com/images/archivesart/R35fig3.jpg
これがチャンネルセパレーションを保持する秘訣なのだ。
一方で、高域のパルス成分がただのノイズとみなされていたモノラル録音は
中央定位で曇った感じの音、高域から乾いた音が突き刺さるように聞こえる。
これがモノラル録音の嫌われる要因になっている。 ステレオ録音からみた昭和30年代以前の録音の差別感は
高価なステレオ装置で聴くモノラル録音があまりに酷いので
見落とされた感じがする。
あきらかに電蓄、ラジカセのほうが相性が良いのだ。
とはいえ、それで誰も困らなかったことも確かだ。
人気歌手はステレオでセルフカバーアルバムを作るのが常だし
過去に売れた曲なので安心感がある。
ただ初吹き込みのときの不安と期待が入り混じった独特の雰囲気は
その時代のものでないと感じられないものがある。
その楽曲の魅力がどこにあったのか? その理由を問うのに
100〜8,000Hzに帯域を絞って、エッセンスを聴き込むことで
かえってはっきりと聞き取れるように思う。 ただこうした議論で見落とされているのは
高価なステレオvs安物ラジカセという図式は
良質なモノラルシステムの不在が起因している。
1950年代初頭のJBLのカタログをみれば判るが
D130やD123のような、ラジオ帯域を豪快に鳴らす基幹ユニットがあって
それをHi-Fiに拡張するために075が存在してた。
ttp://www.lansingheritage.org/images/jbl/catalogs/1956/page06.jpg
この基本形はジュークボックスでもJensen P12R+RP103となる。
ttps://www.jukebox-world.de/Forum/Archiv/Rock-Ola/R.O.TempoII.htm
ラジカセでは1970年代までずっと引き継がれており
トークを明瞭に保ちつつ、Hi-Fiを楽しむ方向性があった。
ttp://plaza.harmonix.ne.jp/~ita/1123/h197709-02.JPG
つまりラジカセっぽい音から、グレードアップする際に
重たいウーハー、パルス波の鋭敏なツイーターに翻弄されて
バランス感覚を失っているのが現状だと思う。 AMラジオ規格というとモノラルでローファイという印象だが
一般的な受信では200〜4,000Hzというのが精々だろう。
これを上下1オクターブ伸ばしたのがエクステンデッドレンジだ。
古くは1930年代にWEがトーキー用の新規格として打ち出し
1940年代の放送用アセテート盤も同様のレンジだった。
レコードの歴史では1947年にLP、10年後にはステレオと進展するが
実際にはFMステレオ放送が全国ネットになる1970年まで
AM規格は40年間に渡り存命していて、特にポップスの分野では
卓上プレーヤーが洋の東西を問わずEP盤再生の基準だった。
その意味では、エクステンデッドレンジの100〜8,000Hzの再生品質を
高密度に保つことが、ポップスの再生環境として必須になる。 ポップスの場合、レコード規格の歴史よりも10年遅れで浸透しており
1950年代末までSP盤と共存し、1960年代半ばまでモノラル盤が主流
LP販売される人気歌手のみがステレオ収録の栄誉に与れた。
イギリスなどはFMステレオ放送は1960年代から始まっていたが
ポップス向けのチャンネルは1970年代初頭までAMのみだった。
ただし、収録マイクやテープ録音機は最新のものが使われたので
再生グレードの齟齬が生じる感じがするし、都市伝説も結構多い。
よくラジカセの音をバカにする人は多いが
今どきそれを再現するのに機材を集めなければ成立しない。
ICアンプ&10cmフルレンジではどうしても味がでない。
ラジオ用ライントランス、エクテンデッドレンジ・スピーカーは
キーパーツだが、CDからでも問題なく往時の音が鳴る。 うがった見方であることを承知のうえで言うと
歌謡曲の試聴でステレオが浸透したのは1978年以降
ステレオラジカセが売れ始めて以降かもしれない。
もちろん売られているレコードは全てステレオなのだが
テレビやラジオで聴く圧倒的多数の視聴者はモノラル試聴だ。
実際には1980年代前半のアナログ収録時代まで
オーラトーン5Cでのモノラル試聴はスタジオ標準だった。
そういうオーラトーンもレプリカ生産がはじまり
それまでペア販売だったのが、1個売りもはじめた。
ttp://umbrella-company.jp/auratone-5c-super-sound-cube.html
これもまた75〜15.000Hzという表記に関わらず
実際は200〜10,000Hzというもので典型的なカマボコ型だ。
ttp://www.gammaelectronics.xyz/images/sound-repro_2-6.jpg
アナログ時代にあって、デジタル化で失ったものは
ローファイで歌謡曲を聴く試聴者の群れだ。 ちなみに1970年代の洋楽ポップスのスタジオモニターは
Altec 604EからJBL 4320〜4331へ移行していたが
2wayのタイプは超高域がはるかにおとなしい。
ttp://www.lansingheritage.org/images/jbl/specs/pro-speakers/1977-4331-4333/page3.jpg
とはいえ、このクラスで高域が足らないという人はいないだろう。
Altec 604Eでも同様で15kHz以上は未知の領域である。
ttp://www.hostboard.com/forums/hbmcp/images/forum/700/imported/2010/05/1.png
CDだと20kHz周辺にパルスノイズが重積しやすいので
個人的には超高域の再生は耳ざわりだ。
デジタルフィルターもスローロールオフのほうが好み。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-28369.png 1970年代までの歌謡曲の再生要件として
AMラジオ規格の100〜8,000Hzでの充実がとても重要だ。
これを1オクターブずつ折りたたんでいくと
200〜4,000、400〜2,000、800〜1,000となるが
これを受け持つスピーカーは、ほとんどの場合ウーハーであり
ボーカル域でのレスポンスの自然さ、濃密さなどが大きく効いてくる。
ところが、多くのウーハーは100Hz以下の再生能力を争っていて
200Hz付近がボヤけて、1,000Hz近傍が凹んでしまう。
低域の拡張とセンターコーンの高次歪みを抑え込むあまり
ボーカルの勢いが低下してしまう。
これが高級オーディオが、歌謡曲ではラジカセ以下の音しか出ない理由だ。
別段、歌謡曲の録音が悪いわけではない。不適合なのである。 AMラジオ帯域を充実させる方策として
まず耳自体がその音に慣れていなければと思う。
その意味で、エクステンデッドレンジのスピーカーでの試聴は
耳をリセットする意味でも必要だと思っている。
8kHz以上がそれほど伸びていなくても
バランスよく聴けるように(かえって高域が聞き取れるように)
耳を鍛える必要があるのだ。
AMラジオ規格での試聴でバランスが整えられるようになったら
抜けの良いボーカル帯域を保持しながらマルチウェイ化に進められる。
個人的にはJBL D130、それも1950年代のフィックスドエッジが最有力だが
今どき程度のよいユニットを見つけるのは困難なので
同じ時代の汎用ユニットだったJensen C12Rのレプリカ製品で
なんとか構築するように考えている。レンジ感はカマボコ型だ。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/monoralsystem20.jpg
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-2068.png
(計測は斜め45度からのもので、映画館のXカーブに準拠してる)
Jensenのユニットはギターアンプ用として知られるが
これとて往年のRock-ola社のジュークボックスにも使われていた
純然たるプロ用スピーカーであり、ボーカルの勢いは天下一品である。
リボンツイーターはPA用のタフなタイプで、EMIやKrangfilmが
最初にHi-Fi規格のために実験用に作ったスピーカーを模擬している。 Jensenのエクステンデッドレンジの凄いのは
出音のタイミングがおそろしく早いことで
リボンツイーターと比べてもそれほど遜色ない。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-2228.png
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-2296.png
1947年に開発されたユニットが、優れたタイムコヒレントをもつ理由は
当時のPAスピーカーの役割が、スウィングジャズのビックバンドのなかで
ボーカルやギターの拡声器として、生楽器とガチンコ勝負していたから。
出音が遅れると、どんなに出力を上げても音が埋もれてしまう。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/1950/EV-630-1940-Alied-Radio.jpg
ラジカセの音を正統にグレードアップしたければ
大口径のエクステンデッドレンジを基礎に置くことがいい結果を生む。
実は戦後のポップスの発展は、ここから始まっており
ラジカセはこれを家庭用にダウンサイズしたものだからだ。 1970年代前半までのAMラジオの役割の大きさは
ステレオの普及率と反比例の関係にある。
1970年を基準にすると、日本の世帯毎の所有率は31%
その5年前は13%、その5年後は52%であり
その後の普及率はそれほど上がらない。
逆に考えると、1965年の87%の世帯はモノラル試聴
1975年でも半分の世帯はテレビ、ラジオでのモノラル試聴
ステレオ試聴の一般化は、ウォークマン、おしゃれなテレコの発売以降
という感じになることが判る。 歌謡曲のモノラル試聴にこだわる理由は
1975年以前にちゃんとしたステレオ定位をするミックスが少ない
サウンドも狭い帯域でデフォルメされたものが多いから。
これをパルス成分に鋭敏なツイーター、広帯域でフラットな音で聴くと
やさしさの欠片もない音で鳴るのはしかたないのではないだろうか。
よく「元気が良くてポップス向け」というオーディオ批評は
ポップスをちゃんと聞いてない人のたわごとのように感じる。
アイドルだって、未だ成就できない恋心に揺れているのに
元気が良ければいいんじゃね? というのは判ってないのだ。 そうこう考えると、歌謡曲を本格的にステレオで聴こう
という発想自体が単細胞な憧れに思える。
その前に本格的なモノラル&ローファイで聴くべきなのだ。
しかし現状で本格的なモノラルシステムは市販されていない。
これまでもラジオとトーキーのように、1か10かの話題しかなく
家庭用に最適なサイズを特定できずにいる。
Hi-Fi創生期に多かった、大口径エクステンデッドレンジ+ツイーターで
システム構築できるような環境が整っていないのだ。
この組合せは1970年代のラジカセの音響設計にも生かされていた。
それはSP盤とLPを同じターンテーブルに載せていた時代であり
AMラジオとLPを共存させた1970年代も同じだ。
ウォークマンとステレオコンポを二者択一していた時代より
遥かに前の時代であったことを忘れて、スペックのみを追い続けている。 例えば、歌謡曲でのデフォルメでは
低音は100Hz前後を持ち上げて量感をもたせ
高域は4〜8kHzあたりにアクセントをもたせる。
昔のアンプに装備されていたラウドネススイッチに似ているが
歌謡曲を聴く環境に合わせた小音量を考慮している。
ttps://astamuse.com/ja/drawing/JP/2013/143/763/A/000025.png
さらにラジオ用フルレンジ=エクステンデッドレンジに合わせた音調でもある。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/RF-848-1972.jpg (1970年代)
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-28275.png (1950年代)
これらは小音量&狭帯域という制限のなか
スッピンだと目鼻立ちが弱く、胸のほうも詰め物をしてという風に
原音とは異なる意味での美音を追い求めていたといえる。 AMラジオ受信の場合、電波状況によってノイズの低減も必要なので
高域にフィルターを掛けている。以下は1950年代の国内Hi-Fi放送時のもの。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/2017-03-31/Resized/002.jpg
この狭帯域IFT(上)と広帯域IFT(中)、JIS箱(下)での高域の差は以下の通り。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-28429.png
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-28275.png
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-28008.png
狭帯域フィルターは3kHz付近からフィルターが掛かっており
低域はラジオ筐体の小ささから250Hz以下はダラ下がりである。
これを補正するように流行歌〜歌謡曲のレコードはできている。
フラットで大音量で聴くととんでもない結果になることは明らかだ。 この特性は現在の映画館のXカーブというものとも似ていて
AMラジオ〜映画館は、実行的な周波数の考え方が一緒だった。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/Xcurve.gif
WE陣営とRCA陣営とでは、各々の映画館のスピーカー特性に合わせ
アンプ側でイコライジングすることをしていた。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/MOTIOMA7505A_21-22a.gif
(左:WE陣営用、右:RCA陣営用)
ttp://usr.audioasylum.com/images/y2011/01/44064/Motiograph3.jpg
単純にはWE陣営は高域が強く、RCA陣営は3〜5kHz(子音)が弱い。
一般的には西海岸と東海岸のサウンドの違いと言われていて
ちょうどEMIとDeccaのような音調の違いがあった。
個人的には大音量で聴いて大丈夫な特性として以下のように調整している。
(ただし正面ではなく斜め45度からの試聴)
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/monoralsystem20.jpg
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-2068.png
200〜4,000Hzでフラット、その両端は10dBも落ちているが
これだと、ラウドネスを強調した録音でも、耳ざわりなく迫力をもって聴ける。 このラウドネス競争が現在も続いていて
例えば日本ビクターのスタジオから満を持して出された
モニターヘッドホンの特性は以下のとおり。
ttp://en.goldenears.net/16638
3kHz以上が10dB落ち込んでフラットに伸びているが
これはスタジオでの音とクロスチェックして同じ特性だった。
ttps://av.watch.impress.co.jp/docs/news/425566.html
ポップスのローファイ規格は1940年代からまだ続いているのだと思う。 AMラジオの音をステレオで聴くとひどく音質が落ちることがある。
ところがラジカセのほうが普通にバランスのとれた音がするのである。
これには使われているスピーカーにも問題があって
通常のステレオは高次歪みを抑え込み余計な倍音がほとんど出ないようにできているが
昔のラジオ用のエクステンデッドレンジは強烈に倍音を出す。
Jensen C6Vの場合は以下のとおりである。(上:正面特性、下:パルス応答)
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-19370.png
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-18861.png
1つ言えば倍の返事が返ってくるようにペチャクチャしゃべる。
1970年代はこの歪みを抑え込む代りに、プレートリバーブが多用されたが
このリバーブ成分は磁気劣化で急激に失われるのが常である。
このリバーブ成分の補完のためにも、スピーカーの分割振動は大切だと思ってる。 1940年代のエクステンデッドレンジは正面から聴くと
すごく中高域の盛り上がった特性をもっている。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-19370.png
これはこの頃に研究発表されたラウドネス曲線に沿っていて
小さい音を大きな音のバランスで聞かせようとすると
その差分の成分はこのようになる。
一般にラウドネスというと、低音と高音を強調するように考えられてるが
実際には中高域を持ち上げることによって補正され
ステージの遠くで鳴っている音が、あたかも耳元でささやくように錯覚する。
つまり音の大小というよりは、遠近というほうが正しい。
この強烈な中高域をもつエクステンデッドレンジも
斜め45度から聞くと、さすがに高域は落ちてフラットになる。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-18746.png
これでも出音のパルス成分は共振現象で止まらないので
中高域の明瞭度は保ったままで、トーンは落ち着いた感じになる。 モノラル時代の音響技術が、小出力を補うラウドネスを効かせていたのに対し
ステレオ以降の音響技術は、フラットネスとチャンネルセパレーションを意識している。
ttps://www.fostex.jp/wp/wp-content/uploads/2014/08/FE166En-F1.jpg
つまり正面を向け10kHz以上までフラットに聞かせる一方で
左右の音声が干渉しないように2kHz辺りからロールオフするようにできている。
これもAM放送のような高域の落ちたモノラル音声を再生したときに
中高域のモッサリした音に聞こえやすい。
これはフルンレジならまだ救いがあるが、小型2wayともなると
ウーハー帯域で音声の9割方をカバーしなければならないので
そのモッサリ感はさらに酷い状況になるだろう。
これはAM放送のように極端な例での話だけではなく
リバーブ成分を失いかけたテープ録音も似た状況にある。 こうした新旧の音響理論の違いについて分かりやすいのは
JBLのD208とLE8Tである。
D208がラウドネス効果をもったエクステンデッドレンジで
出音が前のめりのガッツのある鳴り方をする。
LE8Tは頭文字のLinear Efficiencyのとおりフラットネスを基調としている。
それでも耐入力が通常のフルレンジに比べ一桁大きかったので
パワーハンドリングの良さから迫力ある音を叩きだすことができる。
おもしろいのは同じLE8Tでも、1960年代のゴムエッジは高域にエッジ感があり
1970年代の発泡ウレタンエッジは、クラシックもいける位に大人しい。
1979年にステサンのフルレンジ特集でのレビュー(菅野、瀬川、岡の鼎談)では
LE8TとD208とのサウンドの乖離が議論され、新LE8Tはメッタ斬り
挙句の果てにエレボイのSP8Cの中でも返り血を浴びせる始末だった。
ゴムエッジ&アルニコのLE8Tは人気もあり高騰しているが
肝心のゴムエッジが硬化して動きの悪くなっている(低音が出ない)ものが多く
それも音のエッジの強さを強調しているかもしれない。
逆にビスコロイド塗りのフリーエッジであるD208のほうは
エッジが柔くなって高域が大人しくなっている感じ。
こちらは1950年代から1970年代まで長く製造されており
その時代時代の音楽に適合しているように感じる。 ただしD208にせよ、LE8Tにせよ、ビンテージ製品なので
劣化やグレードの偏りはどうしても免れない。
個人的には、現在も製造されているユニットを使いこなす意味で
D208→Jensen C6V、LE8T-H→Fostex FF165WKで構わないと思っている。
まずは自分の好みの問題と向き合って、相性の良し悪しを吟味すべきだ。 歌謡曲再生の定番というか原器のように扱われているものに
デンオン DL-103、ダイヤトーン P610がある。
どちらもNHK技研のBTS規格が大きくモノを言う製品だが
P610が1950年代に設計されたHi-FI規格への対応品ならば
DL-103は実質的に1970年代のFMステレオの時代の産物だと思う。
つまり1954年からのAM広帯域放送を入り口として
1969年のFMステレオの本放送という出口に至る違いがある。
その最も大きな違いは、P610がラウドネスを若干効かせていることで
1970年代のP610Aなど2世代目には中高域と低域を若干持ち上げていた。
ttp://quwa.fc2web.com/P610-1.jpg
1960年発売の初号機にはこのデフォルメはなかったのが
1966年に認可されたパイオニアPE-16はほぼ同じ特性なので
この時期に規格が少し変更されたと予想される。
その意味では、ロクハンの代名詞であるP610Aの時代性は
少し繰り上がって1960年代中頃になるわけで
開発年が1964年に遡るDL-103と同じことになる。 >167 とんでもない、すごく役に立ってます。
この知識の重要さが分からないのは仕方なくても、
嫌ごとを書く必要もないと思いますよ。 あまりの懐かしさでハドオフで青江三奈のLP
なんと50円
盤面はきれいだが少しチリチリノイズ、まあ楽しめた 端唄のソノシート買った。想像と違ってとっても良い音。
あんなにペラペラなのに両面に音溝があることに驚いた。 歌謡曲を聴くシステムはクラシックやジャズを聴くシステムと
なんら変わらないもんな
あえて言うなら主に使うカートリッジが
DL-103なことくらい >>156
『スイング・ジャーナル・オールスター・バンド』(KICJ-2656)
ttp://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICJ-2656/
『ハイカラー・クラブ・サンデイ・ジャズ・コンサート』(KICJ-2657)
ttp://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICJ-2657/
今CD(SHM-CD)で再発されてるこの2枚、ナロウレンジだけど、この時代なりのよい録音で
今のシステムでも充分通用するマスタリングがしてある
>Hi-Fi創生期に多かった、大口径エクステンデッドレンジ+ツイーター
これで聴いてみたいね
演奏メンバーにも、その後歌謡曲の世界で活躍する人が多いよ >>173
その時代の流行歌はずっとナロウレンジだけど
声だけは今より色艶よく録れているんだな。
ただ高次歪みも仲間に惹きつけないと
心の内できしんでるものが表に出てこない。
三味線で言うサワリのような感じ。 ttps://www.focal.com/jp/high-fidelity-speakers/chorus-700/chorus-706
昨年からこのスピーカーをスタンドに載せて使ってる(2mほどの視聴位置)
ステレオ以前のモノーラル音源(LP〜SP時代)をかけても、演奏や歌の重要な部分を落とさず聴かせてくれる
いかにも「オーディオから音楽を聴いた」楽しさが残るスピーカーだと思ってる
>>174で言われてるような高次歪みは少なめで、嫌味がないとも言えるし
素っ気ないと言えば素っ気ない Focalのツイーターには、ハイレゾ領域で強い共振がある。
ttp://i.nextmedia.com.au/Assets/focal_chorus_706_loudspeakers_review_test_lores.pdf
これは同じユニットを使用しているJMlabでも同じ傾向がみられる。
ttps://www.stereophile.com/content/jmlab-chorus-706-loudspeaker-measurements
よくスーパーツイーターを付けると、サウンドステージが広がり音が滑らかになる
という現象が起きるが、これは超高域のパルス成分の立ち上がりが強いと
可聴領域のパルス音をマスキングして粗さを目立ちにくくするため。
逆にそれ以下の帯域のダイナミックレンジを抑え込む傾向がある。
一方で、ツイーターの指向性が広く、60度逸れても8kHzまでキープしているので
モノラル音源でも明瞭さは保てるようにできている。
通常だと30度逸れると2kHzからロールオフするので音が曇る。
昔、ヤマハのテンモニの使い方で、ツイーターにティッシュを張っていたが
中域の楽音の定位感を把握するためのものと思ったりするので
試してみると超高域のマスキング効果が判るかもしれない。 ということで、自分のシステムのリボンツイーターにティッシュを被せてみると
アルテックのような、ふくよかな中域がモリモリ出てきた。
1950年代よりも、1970年代の録音のほうに、筋肉質な感じが出てくる。 1970年を前後して、マルチトラックの倍々ゲームがはじまって
ミキサー卓が真空管からトランジスターに置き換えられた。
サーモノイズの低下でノイズフロアは下がったが
天井の低いパンチの無い音で結構痛手を負ったらしい。
多くはマルチトラック化によるテープ幅の減少のせいにしていたが
デジタル環境に変わった1985年頃とも重なってくる。
そういう意味では、70年代の歌謡曲も例外ではなく
ボーカルが薄く甲高くなる傾向は否めない。
しかしノイマン製マイクの使用など、収録方法は大きく変化していない。
そこの溝を埋めるのがティッシュ。
よく一枚ベールを剥いだような、と解像度の話をするが
当時はそれほど重視されていない超高域のパルス音は
ティッシュで覆ったほうが正解なようだ。 >>176
補足(書き込もうとしたら誤送信・・・)
フォーカルはスピーカーユニットからエンクロージャーまで自社生産の会社だけど、
ユニットのみを「フォーカル」で、完成品のスピーカーシステムを「JMラボ」で発売していたから
同じ一つの会社だよ(現在は社名もブランドもフォーカル) テンモニで有名なティッシュ張りは、以下のような感じ。
ttp://www.bobhodas.com/examining-the-yamaha-ns-10m.php
ティッシュの種類で異なるが、3kHzと11kHzにディップができる。
この特性が何を意味しているかというと
SONY MDR-CD900STの特性が非常によく似ており
ttp://en.goldenears.net/6993
フラットに聞こえるためには、中高域を上げなければならず
古くはオーラトーン5Cから続く、ラウドネス競争の終着点でもある。
つまり、テンモニ・ティッシュ張り→900STというラインで
1980年代以降のJ-POPサウンドのガラパゴス化が深化した。
1970年代後半からの歌謡曲に有効なのも言うまでもない。 最近のリマスターCDで、当時の印象よりもずっとキラキラ感が強いときがあり
マスターテープに忠実という感じもしないこともないが
人によってはJ-POP風に若ぶってる(人工的な化粧肌)と感じる人も多いだろう。
ティッシュ張りはこうした違和感への処方箋だと思う。
これは大瀧詠一の初代ナイアガラのように、本人がリミックスしても
それを認めないファンが多いのと状況が似ている。
三文ソングにふさわしいチープな雰囲気さえも
一種の文化的価値をもつというのだから、案外根深い問題だと思う。
これはミュージシャンの意向も含まれているようで
同じヤマハ財団所属でも、高木麻早はキラキラ感を強く押し出しているが
中島みゆきはカセットテープから興したんじゃないかと思うほどカマボコ型だ。 >>181
>ラウドネス競争の終着点
ラウドネスと周波数特性にどう言う関係があるんだ?w 昔の話だけど、ラウドネス曲線を最初に策定したときに
補聴器の明瞭度を説明するのに使われたのが最初。
その後は、音圧そのものを指す以外に
音の遠近を表現するために、音調を整えている。
例えば、風船が近くで割れたか、遠くで割れたかの違い
というのが比較的わかりやすい例だ。
また500〜2000Hzを+3dB/octで山を作ってあげると
スピーカーから音が「一歩前に出る」効果が得られると
JBLの顧問がレコーデング教本で書いていたりする。
こうした効果は1970年代のD130のようにPA技術に応用された。 コンプレッサーで波形潰してれば迫力が出るとか
そんな風に思ってる人があまりに多いんだ。
ラウドネス曲線を策定した1940年代よりも低俗なオーディオ理論で
そこから先に一歩も出られずサウンドがマンネリ化するだけ。 >>186
ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文に聞く ロックバンドは“低域”とどう向き合うべきか?
https://realsound.jp/tech/2019/02/post-316161.html
この一部分だけ読んでも、たとえば「40万の法則」
(40という数の平方根は約630、630Hzを境目にして周波数のグラフを二つ折りにしてみて、
高音と低音の曲線が対称に重なりあうような特性が快い音の条件)が、一見とても時代遅れかのように思わされた
俺は決してそうじゃないと思うけれど
この記事のパート1の方で、ヤマハのNS-10Mは80Hzより下が切ってあるから、後藤正文が言うような「気持ちの良い低域」は出てこない・・・
ともあったよ
秋元康が「田原俊彦の「NINJIN娘」が鹿児島の漁港の割れそうなスピーカーで鳴ってるのを聴いて「これがポップスなんだ」と実感した」って話も出てくる
ここの初代スレから言われてる話とは、住む世界が違うと思った 現在のスピーカーは奥に引っ込むこと(奥行き感)を重視するから
歌謡曲を再生すると、ほとんどの場合ラジカセ以下の音しか出ない。
あと12〜16kHz付近に音をまぶしとかないと、素の音が汚く聞こえる。
ヒスノイズや三角ノイズにまみれてた時代が良かったかもしれない。 >>187
書いてあることに業界用語が多くてイメージが湧きにくいけど
実際どんなヘッドホンでも40Hz以下はそれほど聞こえないし
解像度の悪いウーハーでいくら伸ばしてもドーンとなるだけだし。
自分の場合は、フィックスドエッジのウーハーしかありえない。
80Hz以下はストンと落ちるけど、ベースラインはスマートに流れる。
多分、オークターブやさらに5度上の高次倍音を中心に聞いてる。
ラップ系の低音マニアのルーツは
例えばジャマイカのサウンドシステムという野外PAなんてもっと歴史が長いし
ダブという概念自体もそこから生まれてきた。
ポップスの場合よくあるんだけど
ある地域のみで好まれてたエスニックな癖のあるサウンドが
他の国の音楽に影響して新しいジャンルが生まれることがあって
そこも面白いんじゃないかと思う。
そういう意味ではJ-POPも海外で新しい潮流を生む可能性があるし
アニソンまで幅を広げると既に始まってるかもしれないと思う。 あと40万の法則について言うと
自分の場合は200〜4000Hzから同心円に広がるカマボコ特性で
おそらく楽音の言語的性質を聴き取っているんだと思う。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-2068.png
それの出音のタイミングが全帯域で一致していることが重要。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-2228.png
現在はその両端で不自然なデフォルメが目立つオーディオ製品が多く
低音は重く遅く、高音は鋭く速い、というキャラクターで支配される。
これがサウンドのマンネリ化を招いている。
小型ウーハーだと余計に重く設計されるので
高音のエッジだけで聞かせる音楽が多くなっていくのは仕方ないと思う。
昔のインナーイヤー型ヘッドホンも中抜けのしやすい構造で
さらに個々人の外耳の共振の違いで癖が出やすい。
ttp://en.goldenears.net/19023
ただしJ-POP自体がこのサウンドキャラを抜けられないままなので
新しいカナル型でも低音は太くなっても、高域は同じ傾向がある。
ttp://en.goldenears.net/53678
これはShureやEtymotic Researchと比べても違いははっきりしてる。
ttp://en.goldenears.net/30016
ttp://en.goldenears.net/20770 見方を変えると、ヒップホップのサウンドは日本製のラジカセが生んだと言える。
JVC RC-550はモノラルながら25cmウーハーの3wayで
マイク入力可能な簡易PAとして機能し、ストリートでのパフォーマンスに最適だった。
ttps://66.media.tumblr.com/9718fcf3087ae18673fab8f2c759cd3e/tumblr_inline_mom2s28wN61qz4rgp.jpg
ttps://www.reddit.com/r/OldSchoolCool/comments/4anisj/a_teenager_holding_his_jvc_rc550_boombox_also/
ただしネットワークは、25cmウーハーがスルー
10cmスコーカー(10μF)は逆相つなぎ
5cmツイーター(3.3μF)は共にコンデンサーのみでカット。
ttp://stereo2go.com/forums/data/attachments/12/12855-ff7514e5a1a9a4cd0c2fc62d17c70577.jpg
8Ω換算だと、2kHz、6kHzのクロスオーバーになる。
基本構成としてはJBL 4310と同じで
実はJBLも8μF、3μFのコンデンサーのみで
ユニットをほぼ素のまま鳴らすように設計されていた。 >>188
スピーカーは奥行き感を重視したつくりでも、音源の方にその情報がない
音はデジタルマスターでクリアなだけに、聴き手側もそれに気づきにくい・・・
ってのは、ずっと言われていることだと思うけど、今こそ大切だと思う
たとえばキングレコードの一発録りのポピュラー・歌謡曲だと
(1950年代の江利チエミ、1960年代のザ・ピーナッツ)
今よく言われる「昭和歌謡」的なチープな音じゃ無くて、録られた場所の空間が見えてくる良さが
きちんと出てくるね >>192
1965年頃まで、収録マイクは30cmくらい離れていたので
ルームエコーも少し拾う感じで録られている。
ttp://peanuts-holiday.jp/recording.htm
ttp://peanutsfan.net/StHiFi3705.html
少しの空気の距離感と、それを埋めようとする明瞭な歌声とで
バランスを取っていたような感じ。 録音の年代的な区切れを示す判りやすい例は
ノイマンのカッティングマシーンの型番で
SX-45が1958年頃のステレオLP用
SX-68とSX-74で溝が細かく切れ高域が伸びていった。
レコードで聴く以外に、CDでもこの区分はなぜか有効で
同じモノラルでも1955年より前のポップスはSP盤と変わりないし
1968年以降に急激にステレオ感が良くなる。
74年以降だと現在のものとほとんど変わらないだろう。
ただ、現在のオーディオ機器との相性は1974年以降に傾きがちで
1968年以前は周波数バランスが崩れているように聞こえ
1955年以前になると高域が明らかに足らないと感じる。
昔の人は悪い音でガマンしてたんだろうか?
じつはけしてそうではないとも思えるのだ。 昔のオーディオ機器と現在のものとの違いについて
周波数レンジのほうを持ち出す人は多い。
旧規格のAM放送は100〜7,500Hzだったのに対し
新規格のFM放送は50〜15,000Hzと倍増
CDでさらに20〜20,000Hzと伸びたとされる。
しかし中身をみると、古いオーディオ機器は高次倍音が大きく
真空管のリンギング、トランスの磁気歪み、スピーカーの分割振動など
至るところにリバーブに相当するようなものが沢山覆いかぶさっていた。
例えばJensen C6V+サンスイトランスST-17Aだと以下のようになる。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-18861.png
高調波歪みのほうが基音の1kHzよりも大きく出てくるくらいで
ピュアな音からほど遠いようにみえるが
リンギングは初動のパルス波で最も大きな反応を示すので
エレキのクリーントーンのように澄んだ音が基調だ。
こうした高次倍音(高調波歪み)を抑え込んだ現在のオーデイオ機器では
古い録音は、無響室に入れたように潤いのない音になる。
ビンテージそのものでなくとも、当時の設計思想に沿った再生が必要なのだ。 1974年以降の録音とそれ以前の大きな違いは
エコーかリバーブかの違いがあって
EMT社のプレートリバーブ、AKG社のスプリングリバーブなど
1970年代の録音には欠かせないエフェクターだった。
リバーブが掛かることで、高次倍音を重ねたリッチな音になり
マルチトラック間の音の馴染みもよくなる。
リバーブは高域に集中する特徴があり
今のオーディオ機器は、高域にリバーブを掛けてないと
音が乾いたり、こもっったりで、どうしようもなくなってしまう。
またテープの磁気劣化の最も感じやすいのがリバーブ音で
音がこもった感じに聞こえる要因になりやすい。 ここで意外な落とし穴が1968〜74年の録音で
それ以前の真空管ミキサーのように音が豊潤でもなく
さりとてリバーブの恩恵も受けられなかった過度期にある。
1970年を前後してFMステレオ放送の本放送が始まるので
そのときの区切れも若干あるが、全体にこじんまりとした
良く言えば慎ましい日本的な音がする。
実際に欧米も含むポップスの分野でサウンドステージの概念が現れるのは
BBCでの1970〜75年のAcoustic Scalingの研究以降で
それ以前はバーチャルな立体感はほぼ存在しなかった。
ttps://www.bbc.co.uk/rd/publications/rdreport_1970_13 など
昭和40年代という区切りも可能だが
文化的に混沌とした雰囲気(エログロナンセンスから学生運動まで)も含め
現在のオーディオでは聴き取りにくい内容も多くあるような感じがしてる。 昭和40年代のステレオというと
日本製のほとんどはアンプ&チューナーの一体型レシーバーで
アメリカが現在の日本マランツに目を付けてOEM生産したのもこの時期だ。
どのレシーバーにもヘッドホンジャックがついており
パイオニアを筆頭にヘッドホンが結構売れていたらしい。
米KOSS社の世界初のステレオヘッドホンが1958年
パイオニアが1961年なのでやや先走りの感があるが
FMのステレオ放送で一気に需要が伸びた。
古いヘッドホンは、ステレオ機器ではアクセサリーに属してたので
音質のレビュー記事などはほとんど残っていない。
現在でも製造されているKOSS社 Pro/4AAは以下の通り。
ttp://www.alliedcatalogs.com/html/1971-300/hr110.html
ttps://www.innerfidelity.com/images/Headphone101_InterpretingFrequencyResponse2_Graph_KossPro4AANew.jpg
400〜2,000Hzを中心にした超カマボコ型で
低音と高音に耳がまだ過敏だった時代だったようだ。 日本製の海外OEMスピーカーは安くてフラットというのが売りで
例えばFostex FE103は以下のsolo-103として売られていた。
ttp://www.radioshackcatalogs.com/html/1967/h045.html
こちらは名称的にテクニクス Oneかと思ったらフォスターのOEMだった。
ttp://www.radioshackcatalogs.com/html/1967/h044.html
密閉型全盛の時代でどうやって低域を伸ばしてたかというと
BOSEの小型スピーカーのようにネットワークでイコライジングしてる。
ツイーターは現在でも同等品があるので参考になるだろう。
ttps://dp00000116.shop-pro.jp/?pid=37748391
エコーがそれほど映えないとか、そういう効果も確認できると思う。 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:fc5433912aa55592f73f2dda4d43bdf8) 昭和40年代の国産のカートリッジ、アンプ、スピーカーと並べてみると
フラットより少し大人しいサウンドが浮かび上がってくる。
一方で、この頃になると欧米の機器が輸入代理店を通じて
一般に知られるようになった。
かつてのクラシック、ジャズに向けた「黄金の組合せ」も
この時代の洋楽の鑑賞に国産品では飽き足らない人の嗜好品で
シュアーのカートリジは売れ行きがよくなったときに価格を下げたら
逆に販売数が減ったという変な逸話もある。
おそらく同価格帯の国産品と比べて性能が拮抗していたからと思われ
実際にバーチカルアングル、楕円針などは日本が先行していた。
ポップスの世界でもビートルス以降は「オリジナル曲」が
歌手やバンドのステータスになり、カバー曲での歌唱力はアピール度が減退する。
こうした個性を競う時代でのオーディオは
まじめな音響工学と向き合うオーディオメーカーと
セールスを重視するレコード会社との間で
徐々に溝が深まる結果になったような気がする。 実際にはビートルズは、英国でレコードの放送は禁止されていたので
BBCの放送音源はほぼ100%カバー曲だった。
むしろ米国のコアなR&Bをお茶の間に届けたという点で衝撃的だった。
こうしたことは、生演奏が主体だった歌番組では、洋の東西を問わず共通で
日本だけがカバー曲が好まれていたわけではなかった。
特殊なのは、日本語に訳して歌われた、この点に限られている。
録音の性格をみると、昭和30年代の録音は
アメリカのスタンダードな録音技術(RCAやコロンビアなど)を踏襲しており
R&Bに多いインディペンデント系のあざとさは影を潜めている。
ところが昭和40年代に入ると、GS、ムード歌謡と急激に過激さが増してくる。
この辺で、旧来のラジオ、電蓄で試聴していた人たちに
新しい時代の到来を告げる、歌舞伎でいう「見得」の張り合いが出てくる。
この時代の保守性と革新性のギャップを埋める方策が必要なのだ。 昭和40年代前半のGSやムード歌謡の革新性を読み解くのに
いくつかの矛盾を解いておかなければならない。
それは当時の国産オーディオ機器では表現力が浅く
日頃からスタンダードな曲調に耳慣れていなければ分かりづらく
逆に解像度の高いオーディオ機器だと、下手な化粧がばれてしまう
という具合にバランスが取りにくい。
個人的には、JBL LE8T、サンスイ AU-777、シュアーM44G
または、Altec DIG、ラックス SQ38F、デンオンDL-103
のような組合せが、バランスが良い感じに思えるが
当時の人なら同じ価格で国産3〜4wayスピーカーを購入しただろう。
しかし、当時のピラミッド型バランスのスピーカーでは
GSをはじめとする新しい音楽は聞き映えがしない。
オーディオ的に蔑む気持ちは深まるばかりである。 昭和40年代の高級ステレオと歌謡曲のサウンドの乖離は
FMステレオ放送からカセットデッキの標準装備が一般化する
昭和50年代初頭まで続いていたと言っていいだろう。
その意味では、昭和40年代の歌謡曲の音質評価は
昭和50年代の基準でみているということもできる。
つまりギャップは埋められることなく放置されたのだ。
こうした事象は、欧米では1968年前後で起きており
ビートルズのオリジナルなサウンドを巡る議論は終わりがない。
これに比べれば、歌謡曲の扱いはまだこれからという感じだ。 昭和40年代の歌謡曲を再生する際のアンバランスは
電蓄やラジオでの試聴体験からグレードアップする際に
周波数レンジを据え置いて、パワーハンドリングを増強するセオリーを外れ
室内では極小音量、周波数レンジは伸ばす方法論を選んだことから来ている。
つまりステレオの音量はこれまでのラジオとそれほど変わらないのに
周波数レンジを伸ばすと、ラウドネス効果も加わり、かなりドンシャリになる。
昭和マルチウェイスピーカー+真空管アンプだとド〜ンチャリかもしれない。
そもそも昭和40年代の録音は、イコライザーやエフェクターを使いだして
新奇性を打ち出したものが多いので、元の音調はドンシャリだ。
このためグレードアップするには、周波数レンジを据え置かなければならない。
JBL LE8TやAltec DIGがちょうど良いのは、旧規格を保持しているからだ。
ttps://audio-heritage.jp/SANSUI/speaker/sp-le8t.html
ttps://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-23-4d/macky2288/folder/1227379/02/40642502/img_0_m?1477920552
ポップス全般のことについて言えると思うが、オリジナルテープが正しい音響で
ちゃんと入っているかは色々と試行錯誤が必要だと思う。 戦後日本の録音史で比較的まとまったものがあったので紹介。
ttps://www.jas-audio.or.jp/jas_cms/wp-content/uploads/2018/01/201801_045-052.pdf
ttps://www.jas-audio.or.jp/jas_cms/wp-content/uploads/2018/03/201803_016-022.pdf >>204で20cm径のフルレンジについて紹介しているが
20cmフルレンジには名機が多く、いずれも個性的なサウンドをもっている。
WE 755A、アルテック 755E、Jensen P8P、エレボイ SP8B
独ジーメンス 6 Ruf.lsp.17e、独SABA グリーンコーン、英ローサー PM6A
日本だとパナソニックのゲンコツがあった。
現状だとフォステクス FE206En、FF225WKがあって
どちらかというとスーパーツイーターを足して聴く人が多いだろう。
理由は、分割振動のレベルが抑えられているからで
英ローサー PM6A、JBL LE8Tと比べると違いがはっきりする。
1975年くらいを区切りに起こる新旧の録音品質の差と重なってくる。 >>206のビンテージ品は半世紀以上前に製造されたものなので
劣化などを含めグレードが様々で、結構ハズレも多い。
自分の場合は、そうした散財に見切りをつけようと
新品で手に入るJensen C6Vで何とかガマンすることにしてる。
ギターアンプ用で、大体4千円前後で購入できる。
ttps://www.jensentone.com/vintage-ceramic/c6v
これのアルニコ磁石は、古くは1947年から存在している。
ttp://www.alliedcatalogs.com/html/1947-112/h100.html
これでも結構いい奴で、古いSP復刻でも難なく走破できる
どちらかというとオフロード向きのタフな面をもっている。
1980年代の復刻盤だと高域をバッサリ切ったものが多かったが
それを強力な分割振動で楽音を明瞭に縁取ってくれる。 Jensen C6Vは正面特性は、強い中高域のピークがあり
これだとピーキーな音だと想像しがちだが
これはモノラル時代に斜め横から試聴してフラットになるように
トーンを整えているためだ。
正面: ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-19370.png
斜め45度: ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-18746.png
こうした設計はグッドマンズのAxiom80などでも同じ傾向がみられる。
これの分割振動がどれほどかというと以下の通り。
パルス応答: ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-18861.png
これもエレキギターのような強力な歪みを想像しそうだが
楽音に連動した倍音なので、イコライザーで持ち上げるよりずっと上品な音になる。
上品だというのは、イコライザーだとノイズも一緒になってザワザワした感じになるが
分割振動は楽音に伴うパルス波だけを拾いあげるので
普通にHi-Fiなスピーカーに比べてもクリアな感じになる。 この手の分割振動を積極的に使ったサウンドは
ラジオやテレビではお馴染みのもので、昔の楕円スピーカーはその代表だ。
1967年の長岡鉄男のコラムでは、安いステレオのマルチウェイよりも
テレビに付属しているスピーカーのほうが正常な音をしていると論戦を張って
その証拠にアナウンサーの声が、ステレオだと胸声の強い不自然な音
テレビは隣の部屋で聴いても肉声と勘違いすると言っている。
それに加え、放送録音はイコライザーやエコーであまり音をいじらない
アンプも五極管をジャリジャリ鳴らすのが良いとした。
もともと反骨の人なので、音楽の友に連載していた当時のコラムは
「モノーラル再評価」だとか、「団地ステレオ論」だとか
ステレオ初心者が躓く内容を斜めからぶった切るようなものが多かった。
実践的な姿勢は、1970年代のFMfan時代にも引き継がれる。 一方で、分割振動の多い安物フルレンジの欠点は
ヴァイオリンやトランペットのように、楽器そのものの高次倍音の多い場合で
およそ実際の音とは掛け離れたピーキーな音になる。
このため、クラシックやジャズのファンからは見放される結果になったが
ポップスの場合はどうだろうか? さらに歌モノ中心の歌謡曲なら?
この点が評価の分岐点であり、オーディオ発展史が逆転するのだ。
効果的な低音、効果的な高次歪み、これらの「効果的」は
小出力で聴くラジオ、テレビの視聴者に向けて出されたメッセージである。 16cmのC6Vは卓上ラジオや電蓄のスタンダードな音だが
当時のペナペナのコーン紙に比べると、かなりしっかりと音量をだせる。
ナローレンジなままで大音量を出すと、グッとラウドな感じが増してくる。
最近になって気付いたのだけど
新しいリマスタリングのうち、デジタルリバーブを掛けたものは
この手のスピーカーだと急激に音がくもってしまうことだ。
理由はパルス波の帯域を超高域に振り分けたためで
古いタイプのフルレンジは、この帯域が出ない。
高域を切った古い復刻盤のほうが高域がクリアに聞こえる
逆転現象がみられる。
購買層に恵まれた新しいリマスター盤は
リボンツイーター付きの12インチ・エクステンデッドレンジに任せ
より多くの楽曲を手広く聴きたいときは6インチのフルレンジ。
1960年代後半で重なり合う拡声器のタイプを使いわける。 1970年代に増えてくる演歌歌手のリサイタル盤だが
よく言われるのは、テレビ音声なみの収録音という評価だ。
舞台のプロモートそのものがテレビのものと遜色ないのと
会場ノイズ、オケ伴との音被りなど、様々な制限があるので
実際の帯域は100Hz以下、10kHz以上はバッサリと切られている。
なおかつトランジスター時代なので、元テープの倍音成分は
グローに沈んだ感じである。
これが新しいHi-Fi機器だと、超高域のパルス成分がないと
ステレオの音場感や定位感をコントロールできないので
帯域もサウンドステージも狭い、ローファイな音に様変わりする。
逆に古い高次倍音バリバリのシステムで聴くと
天井の高い澄んだ音になるのだから不思議だ。
昔なら、ラジカセ、テレビで、どこでも聞けたサウンドだったが
今ではそのどちらも、かつての輝きはない。
こうした放送録音の規格でも、充実した音の出せるのが
Jensen C6Vのような古い設計のスピーカーだ。
サンスイトランスST-17A、ECL82アンプなど組み合わせれば
さらに倍音が蜜のようにしたたり落ちる。 あらゆる録音に相性のよいオーディオ機器というのは存在しないが
緩和処置としてイコライザー、エフェクターで音をいじることも必要だと思う。
にわかのマスタリングを施すわけだが、何事も適度なのが心地よい。
イコライザーは±3dB以内、エフェクターは30%程度織り交ぜる。
最初の頃は、真空管プリ、英ORAM社のイコライザーHi-Def 35
Lexicon社のデジタル・エフェクターなど、色々と使ってみたが
現状はヤマハの簡易ミキサーMG10XUで十分な感じ。
3バンド・パラメトリック・イコライザー、デジタル・リバーブが付いていて
ステレオ録音をモノラルミックスする際に利用している。 家庭用オーディオ機器にエフェクターが搭載された機種は
1950年代の独グルンディッヒのラジオ3D-Klang方式で
音場感をコントロールするリモコン 3D-Dirigentが搭載された。
ttps://thumbs.worthpoint.com/zoom/images1/1/0116/30/grundig-3d-dirigent_1_231160f37372d6dac9d4f56329264094.jpg
これはFMモノラル放送時代に多かったオーケストラ実況のためのもので
高域拡散のためにツイーターを多数配置することと併用していた。
日本ビクターの1960年代初頭のステレオ機器にも
スプリングエコーが付属しており、こちらは音場感の補完のためと思われる。
ttp://www.ne.jp/asahi/radiomuseum/japan/images/victor-cat.jpg
クラシックの分野だと、1950年代の放送音源にリバーブ処理するのは当たり前で
それが新リマスター盤として出回っている。
エコーというと、どうも下手なカラオケか風呂場の鼻歌を思い浮かべる人が多く
原音主義との齟齬も含めて、エコーを掛けないほうが良いと言う人も多い。
でもリバーブをうまく掛けると、声の艶やリズムの流れが出てくることが多い。
ステージ系だと中高域に艶が乗り、ルーム系だとリズムはタイトに引き締まる。
ヤマハの場合は、中心周波数を動かせるようなので
なるだけ200〜800Hzの間の低めに合わせると
音色の変化をほとんどなくエモーショナルな感じに仕上がる。 中低域でのリバーブで緩和処置を取るのは
自分の使用しているJensen製フィックスドエッジのウーハーの反応が非常に鋭敏で
通常の柔らかい低音でバランスが取れる録音もおおよそ半数は存在するからだ。
単純にいうと、Jensenを後面解放箱に入れたままだと乾き過ぎている。
逆にJensenのような大げさな表現でないと、良さが判りにくい音楽も半数ある。
例えば、昭和30年代の美空ひばりとかフランク永井は胸声がこもりやすく
ウエスタン・カーニバル系のロカビリーなどは、リズムが弾んでこないことが多い。
また1970年代のソフト・ロックのグルーブ感も表現しにくいもののひとつだ。
一歩前に踏み込んだスピード感を出せるかどうか、それで損をしてる録音もまた多い。 >>205でのキングレコードの録音史で分かりやすい音源として
「蘇る!キングSP原盤再録名曲集」というのがあって
5枚組のうち2枚目8番の「トゥ・ヤング」から米キャピトルの指導で行われた録音
それより前が旧テレフンケンの機材での収録になる。
ttp://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICW-316/
残念ながら、旧テレフンケンの機材で収録された盤は
深いエコーが掛けられており、本来の音という感じではないが
金属マスターの原盤を保管しているとのことなので
いずれちゃんとしたリリースがなされると思われる。
ちなみに>>205の第2編では
1951年以降の録音でエコールームを効果的に使ったとあるので
そうした辻褄を合わせてみたかったのかもしれない。 >>205で出てくるアメリカン・マイクロフォン社というのが
あまり他では聞かないものだったので調べてみると
以下のようなリボン&ダイナミック併用マイクだった。
ttp://www.coutant.org/american/
同じような構造はWEの鉄仮面があり、それよりずっと小型で手持ちも可能。
WEのほうはRCAの特許ハズシだったという噂もあり
米キャピタルはノイマン製のコンデンサーマイクだったりと
色々と裏の事情も含めて選ばれた感じもする。 戦後の録音史で非常に分かりにくいのが1955〜60年頃で
ちょうど78回転盤から45回転盤への移行期にあたり
日本レコ―ド協会資料によると以下のようになる。
ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-22697.png
録音史の表記だとドーナッツ盤の生産開始が1954年だが
実際の流通にはさらに5〜6年の年月が必要だったことが判る。
ひとつは欧米では1947年のLP発売でボツになりかけた録音が多く
1954年のEP盤リリースに伴い旧規格の生産調整があったと思われる点。
もうひとつは1953年から開始されるテレビ放送以降
家電購入でのHi-Fi機器の優先順位が下がった点である。
このレコード売り上げの谷間によって現れるのは
SP盤とテープ録音の区分と共に、懐メロと流行歌のジャンル分けにも波及してる。
ところがその境界線にある1955〜60年の流行歌は
テープ収録&SP盤リリースというどっちつかずの状況のなかで
忘れられがちである。 SP盤だからということで、鉄針のラッパ蓄音機で聴いてたと思いがちだが
実際にはラジオ電蓄での試聴というのが一般的で
クリスタル・カートリッジ、ダイナミック・スピーカーという点では
45回転盤とそれほど違いがあるわけではなかった。
ただ78回転盤はシェラック盤という特質上スクラッチノイズが多く
これの除去のため後の人が高域にフィルターを掛ける習慣が根付き
高域のあまり伸びていない録音という誤解が生まれたと思われる。
実際は>>217でのマイク特性からみる通り
8kHzくらいまで伸びていれば十分にHi-Fiであり
これを戦前のラジオ放送の4kHzまでの規格に抑えようとした結果だった。 1955〜60年の録音の変換を知るのに最適なのが
美空ひばり「船村徹の世界を歌うVo.1」
フランク永井「懐かしのフランク永井 シングル全集1〜3」あたりで
同じ歌手での聞き比べが可能なものになる。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています