モーツァルトとベートーヴェンがあれば他は要らない。

常々そう思っている私ではあるが、それでも「この曲は外せない」と言う曲はある。
その代表の一つにシベリウスのヴァイオリン協奏曲がある。

演奏はチョン・キョンファに一歩譲るが、音となれば「諏訪内晶子が弾くドルフィン」にぞっこんとなる。

この2〜3年間では、2015年11月のフィンランド放送交響楽団(サントリーホール)/2017年2月のN響(NHKホール)の実演をいつもの定位置席で、「ドルフィンの生音によるシベリウス/ヴァイオリン協奏曲」を堪能したが……

モニターGold(オリジナルAutograph&3LZ)で聴く限りに於いては、いつもの定位置で聴く生音により近いのは「Sl盤のSACDではなくHb盤SACD(洋盤)」である。
ホールの違いを加味しても、Hb盤(洋盤)SACDのほうがSl盤SACDよりも、その音の薫り(艶ではない)が生音を彷彿とさせるのだ。

私は実演中の90%は目を閉じている(ウィーンフィルハーモニーによる魔笛でさえ)のだが
この2つのシベリウス実演及び2016年4月14日に中ホール最前列中央1つ左席(此処が彼女との至近距離/2〜3mになる)とも自宅のオーディオルームに居る錯覚に度々陥った。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(チョン・キョンファ&テンシュテット盤/メニューイン&フルトヴェングラー盤の2枚あれば他は要らない)とは別の意味で、この曲にぞっこんなのである。