トスカニーニ Beethoven 7番なら「1935年のNY Phil か BBC」がいい。

コーホー氏お薦めの「降る弁の流動性のリズム」は心臓のものではなく、肝臓のもの。
精神の軟弱所以、ポリフォニー美は殆ど消える。

やはり「コーホー氏お薦めの」降る弁のバイロイトBeethoven 9番終楽章コーダも極端なプレスチッチッチシシモ、オケも合唱も壊滅。これも精神の軟弱の証。

トスカニーニBeethoven 9番なら「テアトルコロンの迫真性」も棄てがたいが、「NBC 1952年 正規RCA盤の第一楽章/第二楽章のヴァイオリンの息吹」を、私は採る。

其れよりなによりトスカニーニの魅力は、小品の飛翔の素晴らしさとポリフォニーの構成美。

オペラ指揮者として只者でない彼の凄みは、建築、彫刻の其れ。その上の歌、完璧なポリフォニーとリズム。

『モーツァルト交響曲ジュピター/39番』はその完成形。録音もモノラルながら良い。
40番は彼の個性と合わない。「カザルス&マルボロ響盤」と「ワルター&コロンビア響盤」が私のベスト盤。「パウムガルトナー盤」も1楽章をじっくりと味わえる名盤。

シベリウス Finlandia の強烈な怒りと意志、完璧な自立音調。
サンサーンス、死の舞踏。ロッシーニ、ウィリアムテル序曲。ウェーバー、魔弾序曲。
ビゼー、カルメン序曲。チャイコ、くるみ割り組曲。ベルディ、シチリア島の夕べの祈り。椿姫、序曲1/3幕、運命の力序曲。
思いつくままに。

コーホー氏はトスカニーニはローマ三部作以外気に入らなかったようだ。
『降る弁の軟弱な精神』を見抜けていない。