「歴史の終わり」とは、国際社会において民主主義と自由経済が最終的に勝利し、
それ以上の社会制度の発展が終結し、社会の平和と自由と安定を無期限に維持す
るという、将来における仮説である。民主政治が政治体制の最終形態であり、
安定した政治体制が構築されるため、政治体制を破壊するような戦争やクーデタ
ーのような歴史的大事件はもはや生じなくなる。それ故に、この時代を
「歴史の終わり」とよぶ。
フクヤマは、ソビエト連邦の崩壊を以って「歴史は終わった」と主張したが、これは、
ソビエト連邦の崩壊によって、「最良の政治体制は何か?」「全人類に普遍的な政治
体制は何か?」「恒久的な政治体制は存在するのか?」という社会科学的論争やイデ
オロギー論争に最終的な決着がついた事を意味している。