限界効用を持ってくるとマルクスは確かに旗色が悪い
ただしスラッファのように標準商品を仮定するとマルクスの生産中心主義が
正しいとわかる

http://members.jcom.home.ne.jp/fuga-buriki-can/comparative%20study3-2.htm
〔需要関数と生産関数の違い――イタリア人経済学者ピエロ・スラッファは、
「マーシャル・クロス」を「〈需要関数〉は、効用逓減という基本的かつ自然的
なる仮定の上に立つ。これに反して、生産における関数関係は、これよりもずっと
複雑な仮定を持った体系の結果である。限界効用に関する研究が、価格と(消費さ
れた)数量との関係に注意をひきつけたあとではじめて、類推によって費用と生産
量との関係という均斉的な概念が生まれたというのが事実である」(『経済学に
おける古典と近代』、菱山泉・田口芳弘訳、有斐閣、1956年)と評した。十分
ではないが、極めて妥当な鑑定である。〕

ピエロ・スラッファ (Piero Sraffa), 1898-1983.
http://cruel.org/econthought/profiles/sraffa.html
 20 世紀の経済学の巨人ピエロ・スラッファは、同時に経済学で最も寡作な一人
だった――でもそのわずかな論文の一つ一つが、とんでもない代物ばかりだった。
スラッファの 1926 年の規模に対するリターンと完全競争に関する論文 (1925 年イタリア
語論文の改訂) は、マーシャル派の企業理論にすさまじい矛盾を見つけ出した。自分の
業績に関する有名な 1930 年のシンポジウム結語でかれが述べたように:

「わたしはマーシャルの理論に内在的な前提が何なのかを見つけ出そうとしています。
ロバートソンさんはそれをきわめて非現実的と見なすようですが、わたしもそれに同意
します。あの理論が、論理的に自己矛盾を起こさず、しかもそもそも説明しようとし
た事実と一貫性を持つような形では解釈不可能だということについては意見の一致を見
ているようです。ロバートソンさんの対処療法は数式を廃棄することで、その示唆によ
ればわたしの手法は事実を廃棄しようとしているのだとか。あらかじめ申し上げておく
べきだったかもしれませんが、こういう状況にあっては、廃棄されるべきはマーシャル
の理論なのではないかと考えております」(Piero Sraffa, 1930, Economic Journal, March, p.93)