>>120
>「事実」と「事実という言葉」は同じものではないと思います。
>「これ」はこう呼ぶこととする、とか、こういう意味とする、としたのが言葉です。
最近の哲学板では、あまり見ることのない、とってもわかりやすくそれらしい哲学的な思惟を
含むお話ですね。それだけに、今の私ではうまく議論できないのが、非常にもどかしい。

「事実」と「事実という言葉」は同じものではなく、まず「事実」というものがあり、
これを「事実」という言葉で表したに過ぎないのだ、という主張は、おそらく古くは、
プラトンのイデア論のようなものであり、カントの「物自体」も、そのような発想から
生じているものですね。

いずれにせよ、あなたの主張では、当為と事実を分離できていません。
なぜなら、我々がいかなるものを「事実という言葉」で呼ぶべきであるのか、という問題を
解決しない限り、我々が「事実」と呼ぶものを用いて議論することも、あるいは、「事実」
呼ぶもの、そのものについて語ることもできないわけです。なぜなら、そこで呼ばれているものが
果たして本当に「事実」と呼ぶべきものであるかどうか、わからないわけですから、それを用いて
語ったり、それそのものを語る前提がないわけです。