【西田】京都学派・近代日本哲学総合スレ【西周】 [無断転載禁止]©2ch.net

**考える名無しさん** · 2017/05/12(金) 22:12:11.30

明治～戦前の哲学を読み直す。

**考える名無しさん** · 2018/03/22(木) 23:10:11.16

戸坂潤の文章は固いな
その点三木清の文章は柔らかくて読みやすい

**考える名無しさん** · 2018/03/24(土) 08:28:28.36

『宗教哲学入門』量義治、講談社学術文庫（2008）

井筒がやっていた様なこと。
仏教、キリスト教、イスラム教から宗教批判まで、
統一された哲学用語で相対化して通観する一冊。

**考える名無しさん** · 2018/03/25(日) 10:28:05.58

>>494
性別があるのは人格神のレベル

**考える名無しさん** · 2018/03/25(日) 10:28:43.49

>>492
西洋哲学には空に相当する概念はなかった。
近いことをやったのは、マラルメ、ロラン・バルト、デリダ。
空は仏教を参照するしかない。

**考える名無しさん** · 2018/03/25(日) 10:29:46.68

西洋における仏教の受容

『虚無の信仰 ― 西洋はなぜ仏教を怖れたか』ロジェ＝ポル・ドロワ（2002）

西洋で仏教が知られる様になったのは、この200年ぐらい。

ブッディズム（仏教）に該当する語が用いられた最初の例は、
1817年フランスのミシェル＝ジャン＝フランソワ・オズレーによる
『東アジアの宗教の開祖ビュッドゥあるいはブッドゥにかんする研究』で、
「ブッディスム（bouddisme）」と綴られた。

その後も仏教は、ニヒリズムや虚無の信仰であると誤解され、様々な論争を引き起こした。

　　　　1820年頃　西洋でブッディズム（仏教）が知られるようになる
　　　　↓
　　　　↓　1819年　ショーペンハウアーが仏教に言及
　　　　↓　1827年　ヘーゲルが仏教に言及
　　　　↓　1848年　マルクス「共産主義という妖怪がヨーロッパを歩き回る」共産党宣言
　　　　↓
　　　　1860年頃　仏、英、独で虚無の信仰を巡る論争がピークを迎える
　　　　↓
　　　　↓　1866年　マラルメ「仏教を知ることなしに、無（ネアン）に至った」カザリス宛書簡
　　　　↓　1871年　ニーチェ「悲劇がわれわれを仏教から救い出す」断片
　　　　↓
　　　　1890年頃　仏教が虚無の信仰でないことが理解され始める
　　　　↓　
　　　　↓　1895年　フロイト『ヒステリーの研究』

この時期は、
マルクス、ニーチェ、フロイトなど現代思想の胎動期とも重なる。

**考える名無しさん** · 2018/03/25(日) 10:33:15.10

これまでにも西田哲学の読解というのをやってきたけど、
まだ1/3ぐらい。残りは、

・西田哲学の純粋経験と数理哲学（済み）
・西田と京都学派の絶対無（予定）
・西田の科学哲学（予定）

**考える名無しさん** · 2018/03/25(日) 10:33:59.89

今は、無をやる前提を他スレでもみていっているところ

**考える名無しさん** · 2018/03/25(日) 10:34:17.00

空と無はまた違うから

**考える名無しさん** · 2018/03/25(日) 10:40:01.41

井上円了の妖怪学はグレアム・ハーマンと近い。

> 円了は『妖怪学』『妖怪学講義』などでそれぞれの妖怪についての考察を深め、
> 当時の科学では解明できない妖怪を「真怪」、
> 自然現象によって実際に発生する妖怪を「仮怪」、
> 誤認や恐怖感など心理的要因によって生まれてくる妖怪を「誤怪」、
> 人が人為的に引き起こした妖怪を「偽怪」と分類し、
> 例えば仮怪を研究することは自然科学を解明することであると考え、
> 妖怪研究は人類の科学の発展に寄与するものという考えに至った。

**考える名無しさん** · 2018/03/25(日) 10:41:15.85

“わたしは、哲学の唯一の任務とは怪奇実在論（weird realism）であると提案したい。
　哲学は実在論的でなければならない。
　というのも、その使命は世界そのものの構造を解き明かすことにあるからだ。

“カントが示すアクセス不可能な本体的（ヌーメナル）世界と、
　ラヴクラフトが描く怪物たちの謎めいた透明性は、
　完全に一致するように思われる。”

“ところが新の実在論は、事物があらゆる関係から切り離されているのだと考えることを要求する。
　そこで唯一の解決策として、実在論の風景を、
　具体的な対象と現象から切り替えることになってしまうのだ。
　その結果、実体を欠いたアトラクターや位相不変量（topological invariant）といった、
　さまざまな潜在的存在者が登場することになる。”

“[潜在的なものの哲学による]こうした一歩が見逃してしまうのは、
　具体的な対象（実在的であれ現象的であれ）が有する忌まわしい怪奇さである。”

― グレアム・ハーマン「現象学のホラーについて――ラヴクラフトとフッサール」
　『ユリイカ　2018年2月号　特集＝クトゥルー神話の世界 -ラヴクラフト、TRGP、恐怖の哲学-』

**考える名無しさん** · 2018/03/25(日) 12:39:35.78

>>504
こりゃまた臭い知的遊戯やな

**考える名無しさん** · 2018/03/25(日) 13:50:47.34

>>502
空と無が違うなんて詭弁だと思うがね

**考える名無しさん** · 2018/03/26(月) 20:13:36.79

京都学派は暗いから嫌い
と言っても東大の進歩主義（丸山等）にも懐疑的

**考える名無しさん** · 2018/03/26(月) 21:14:04.86

文体の隔絶感は丸山に軍配
俺が思うに京都学派は白樺派なんだよ

**考える名無しさん** · 2018/03/26(月) 21:16:34.16

20代、梅原猛の初学者向け哲学書をよく読んだなあ。
あの人は立正佼成会。京都学派だよね。

**考える名無しさん** · 2018/03/26(月) 21:51:27.94

>>509
立正佼成会…宗教ヤクザやん

**考える名無しさん** · 2018/03/27(火) 04:33:59.75

京都学派って言霊思想は扱わなかったの？

**考える名無しさん** · 2018/04/04(水) 15:59:32.08

>>500
西田に科学哲学なんてある？
田辺じゃなくて？

**考える名無しさん** · 2018/04/16(月) 07:52:26.77

ヘーゲルの論理学は悟性の限界を画するという点で科学哲学的な面もあるんだけどそうした分野に日本人哲学者は興味を持たないんだよな。
無の体験の追求だけを求めるというか。

**考える名無しさん** · 2018/05/05(土) 08:53:06.38

『西田哲学選集』全7巻・別巻2 （1998）
http://www.toeisha.co.jp/html/sougou_nishitetsu.html

第1巻　西田幾多郎による西田哲学入門
第2巻　「科学哲学」論文集
第3巻　「宗教哲学」論文集
第4巻　「現象学」論文集
第5巻　「歴史哲学」論文集
第6巻　「芸術哲学」論文集
第7巻　日記・書簡・講演集
別巻1　伝記　西田幾多郎
別巻2　西田哲学研究の歴史

**考える名無しさん** · 2018/05/05(土) 08:53:48.32

中沢新一×東浩紀
「原発事故のあと、哲学は可能か」『新潮 2014年9月号』

"「アジア」の脱構築へ"。言語起源論から、アジア環太平洋哲学の未来像まで。

**考える名無しさん** · 2018/05/05(土) 08:54:37.32

東浩紀×千葉雅也
「震災以後の哲学を考える　他者と暴力をめぐって」『atプラス１２』（2012）

東…明治以降の日本の哲学的伝統では京都学派しかまともなものはなかった
千葉…戦後のある時期から、京都大学の哲学科は京都学派的な伝統を意図的に止める方向にむかった
東…京都学派、および新京都学派が持っていた領域横断性は、本来哲学が持っていたはずのもの

**考える名無しさん** · 2018/05/06(日) 00:58:18.46

>>516
京都学派の領域横断性と新京都学派の領域横断性は全然別種のものな気がするが

**考える名無しさん** · 2018/05/07(月) 00:29:59.59

京都学派が最も影響を受けたのは近代ドイツ哲学で、宗教哲学を最上位に置くものだった（>>162）。
それが、戦後の哲学界は、構造主義など科学的なものが主流となっていった。

**考える名無しさん** · 2018/05/07(月) 01:23:30.78

しかし、それもまた一周して、構造主義的問題系の限界を何でもって乗り越えるのかという話になっているのが現在の状況。

**考える名無しさん** · 2018/05/31(木) 21:32:10.94

【京都】〈画像〉「善の研究」などで知られる哲学者西田幾多郎の未公開ノート５０冊発見「思考過程たどる史料」
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1527741483/

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 14:25:50.54

西田と波多野が互いに「あれはもう一歩だな」言い合っててこいつらしょうもねーなと感じる

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 21:57:22.67

>>506
「空」と「無」、「無」と「絶対無」を読み分けるのが精読

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 21:58:07.27

西田哲学と京都学派の中心ともいえる「絶対無」をみていく。
まずは「無」と「絶対無」の違いから。

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 21:58:46.90

西田は、「有」に基礎を置く西洋哲学に対して、
東洋哲学を「無」の哲学とした。

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 21:59:15.30

形なきものの形を見、声なきものの声を聞く

“形相を有となし形成を善となす泰西文化の絢爛たる発展には、
　尚ぶべきもの、学ぶべきものの許多なるは云うまでもないが、
　幾千年来我等の祖先を孚み来つた東洋文化の根底には、
　形なきものの形を見、声なきものの声を聞くと云った様なものが
　潜んで居るのではなからうか。”

― 西田幾多郎「働くものから見るものへ」序『西田幾多郎全集3』（2003）p255 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 21:59:58.83

>>525
文明論としてよく引用されるのはこれ。
次のものの方が、構図は分かりやすい。

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:00:30.18

最も深い無の思想を以て根底となすもの

“東西の文化形態を形而上学的立場から見て、如何に区別するか。
　私はそれを有を実在の根底と考へるものと無を実在の根底と考へるものとに分かつことができるかと思ふ。”p335

“西洋文化の源となつたギリシャ文化は有の思想を基としたもの”p335

“印度宗教は前の二者に反し最も深い無の思想を以て根底となすもの”p338

― 西田幾多郎「哲学の根本問題　続編」『西田幾多郎全集6』（2003） 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:07:49.67

>>527
西洋と東洋を、ギリシャとインドで比較している。

> 有を実在の根底と考へるものと無を実在の根底と考へるもの

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:15:09.57

“実在と考へられるものは、その根底に何処までも非合理的と考へられるものがなければならない。”

― 「無の自覚的限定」序『西田幾多郎全集5』（2002）p3

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:15:46.16

>>529の「非合理的」なものが、絶対無として強調される。

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:16:34.30

底への超越

“判断的一般者の自己限定から出立して、
　主語的なるものがその底に超越すると云ふことによって、
　種々なる知識を限定する一般者を考へた。”

― 「一般者の自覚的体系」序『西田幾多郎全集4』（2004）p3

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:17:05.43

絶対無は底への超越。下方への超越。

他には、シェリングやベーメの「無底、無根底 Ungrund」など。

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:18:42.85

相対的無から絶対的無へ

“最も深い意識の意義は真の無の場所ということでなければならぬ。
　概念的知識を映すものは相対的無の場所たることを免れない。”

― 「働くものから見るものへ」7場所『西田幾多郎全集3』（2003）p427

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:19:32.72

>>533
相対無というのは、有に対する無。
絶対無というのは、有も無もない無。

例えば、リグ・ヴェーダ「宇宙開闢の歌」（10.129）の冒頭。
“そのとき（宇宙始原のとき）無もなく、有もなかった。”　

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:20:28.48

仏教の「空」の場合は「非有非無」。有でも無でもない。

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:21:12.14

有即無の絶対無

“仏教哲学の主張は無我にあつた。而して大乗仏教に至つては、有即無の絶対無であつた。”

― 「日本文化の問題」『西田幾多郎全集9』（2004）p69

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:22:20.88

>>536
「有即無」つまり有を孕んだ無というのは発出論的なもの。

「有即無、無即有」の「絶対無、絶対有」というのは、ベーメ、シェリングからヘーゲルに至る
ドイツ観念論の中心概念。

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:23:04.95

しかし、西田は、絶対無の定義に二転三転し、苦慮する場面もみせた。

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:23:38.93

絶対無の場所に於てあるもの

“もはや之について何事をも云ふことはできない、
　全然我々の概念的知識の立場を超えたものである、
　言語を絶し思慮を絶した神秘的直観の世界”

― 「一般者の自覚的体系」叡智的世界9『西田幾多郎全集4』（2004）p145

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:24:21.79

“自己自身の無を見る自己がその極限に於て絶対無の自覚に撞着した時、
　自己自身を忘ずると共に、万物自己たるものはない、
　見る自己がなくなると共に、見らるべきイデヤもない。
　併しかゝる境涯の体験は之を宗教家に委するの外はない。”

― 「一般者の自覚的体系」一般者の自己限定5『西田幾多郎全集4』（2004）p324

**考える名無しさん** · 2018/06/04(月) 22:25:24.62

>>539-540
自ら設定した絶対無を、叡智的あるいは神秘的直観の世界とし、
宗教家でなければ扱うことの出来ない、哲学的でないものとしてしまった。

**考える名無しさん** · 2018/06/06(水) 20:48:04.89

>>541
それはどうしてか…

・西田は、禅哲学としては一流だが、宗教哲学全般に通じているわけではなかった
・大乗仏教に対して原始仏教が読まれる様になる以前だった
・語学よりも数学や物理、古典よりも現代を得意としていた

-西田幾多郎（1870-1945年）
-『南伝大蔵経』刊行（1935-1941年）

**考える名無しさん** · 2018/06/06(水) 20:48:45.08

“私がギリシャ語などといへば、人が笑ふであらう。彼がギリシャ語をと。
　実際、私はプラトンの一行すらも読むことができない。
　併し私は晩年ギリシャ哲学に興味を有する様になつてから、
　どうしても多少ギリシャ語が分からねばならぬことを痛感した。”

― 『西田幾多郎全集10』「ギリシャ語」（2004）p375

**考える名無しさん** · 2018/06/06(水) 20:49:32.05

・西田　数学○　ギリシャ語×
・井筒　数学×　ギリシャ語○

**考える名無しさん** · 2018/06/06(水) 20:50:30.70

西田の絶対無は井筒に引き継がれ、形而上学として完成された。

広義に「東洋的無」と呼ばれるもの

・神（アッラー）そのものが自己顕現する無
・ユダヤ神秘主義カバラにおける神の内なる無
・プロティノスの一者
・ヴェーダーンタ哲学における無相のブラフマン
・老荘の道（タオ）
・禅の無
・大乗仏教の真空妙有
・易学の無極即太極

意識・存在・実在のゼロポイントである純粋な無、
絶対無から絶対有への展開。

**考える名無しさん** · 2018/06/06(水) 20:51:39.60

>>542
西田は自分の哲学が禅と呼ばれることを嫌ったはずだけど

**考える名無しさん** · 2018/06/06(水) 20:51:40.08

しかし最近のトレンドとしては、
「無」よりも「空」の方が重要視される傾向にある。

**考える名無しさん** · 2018/06/06(水) 20:53:57.35

>>260
> 戦前の思想の反省
> 戦前の思想 → 近代の超克 → 京都学派 → 西田哲学 → 無（絶対無）とは何か？

とみてきたが、最後の「無（絶対無）」については
既にポールシフトが起きている。

戦前
・西田の絶対無
↓
戦後
・井筒の東洋的無
↓
現在
・大乗仏教 → 原始仏教 → 仏教3.0（無 → 空へ）
・メイヤスーや千葉の偶然性（≒無、此性のある無、シェリング）

東洋哲学の前提が変わりつつある。

**考える名無しさん** · 2018/06/06(水) 20:57:11.25

空といえば和辻。
だが、和辻倫理学体系における「空」の重みに対抗しようとしているのが、
苅部直だ。ちくま学芸文庫から、『初稿　倫理学』というのを出している。

**考える名無しさん** · 2018/06/06(水) 21:04:32.61

>>546
その発言は>>337ね。

>>354-359などは斬新な禅哲学。

**考える名無しさん** · 2018/06/06(水) 21:05:21.16

>>549
ありがとう。その辺読んでみる。

**考える名無しさん** · 2018/06/07(木) 22:26:18.36

例えば、西田→井筒→中沢とすると分かりやすい。

>>515では、アジアと環太平洋を分けているし、
人類学の射程を考えると、東洋という言葉ですら手狭になった。

東洋や無ということに、こだわり過ぎる必要はないのかもしれない。

**考える名無しさん** · 2018/06/08(金) 20:16:23.00

ポスト東洋、ポスト日本というところ

**DJgensei artchive gemmar** · 2018/06/08(金) 21:07:04.09

単純3連単のような哲学はちょっといらないなあ。

**考える名無しさん** · 2018/06/08(金) 21:16:34.54

DJナツメロもな

**考える名無しさん** · 2018/06/08(金) 21:44:50.75

>>550
でも西田は禅なんていってほしくなかったはずだけど

**考える名無しさん** · 2018/06/08(金) 21:50:31.26

>>556
>>337には「無識の徒が私を禅などと云ふ場合」とあるでしょ

**考える名無しさん** · 2018/06/08(金) 22:06:43.17

無識な徒=私を禅などと云う

私を禅などと云う=無識の徒

**DJgensei artchive gemmar** · 2018/06/08(金) 22:09:46.57

https://www.youtube.com/watch?v=wHylQRVN2Qs

**DJgensei artchive gemmar** · 2018/06/08(金) 22:10:38.24

https://www.youtube.com/watch?v=QwqmJilXxJY

**DJgensei artchive gemmar** · 2018/06/08(金) 22:11:15.00

https://www.youtube.com/watch?v=ik_gspY9qVc

**DJgensei artchive gemmar** · 2018/06/08(金) 22:12:03.44

https://www.youtube.com/watch?v=vdkmhquF60o

**DJgensei artchive gemmar** · 2018/06/08(金) 22:13:44.70

https://www.youtube.com/watch?v=Do5MMmEygsY

**考える名無しさん** · 2018/06/09(土) 12:43:26.52

>>552
西田（1870-1945）
・宗教哲学、数学、科学
・東洋
↓
井筒（1914-1993）
・宗教哲学、言語哲学
・精神的東洋（東洋＋ギリシャ＋イベリア半島）
↓
中沢（1950-）
・宗教哲学、人類学
・アジア＋環太平洋

**考える名無しさん** · 2018/06/09(土) 12:44:58.90

西田と井筒の間の世代にあたる人達。
宗教哲学を中心とした、西洋と東洋の比較思想を扱うが、今日的で読みやすい。

・柳宗悦『柳宗悦宗教選集』
・波多野精一『宗教哲学序論・宗教哲学』
・田辺元『仏教と西欧哲学』
・久松真一『東洋的無』
・九鬼周造『偶然性の問題』
・清沢満之『清沢満之全集』

**考える名無しさん** · 2018/06/09(土) 12:46:14.22

井筒も読み返されているところ

**考える名無しさん** · 2018/06/09(土) 12:46:41.66

『「東洋」哲学の根本問題　あるいは井筒俊彦』斎藤慶典（2018/2/11）

序　章　井筒「東洋」哲学
　　「東洋」哲学／井筒「東洋」哲学は何を目指しているのか
第１章　表層／深層
　a）表層から深層へ
　　コトバ／深層における分節化／分節化されたものから分節以前のものへ／事事無礙
　b）深層から表層へ
　　理理無礙／分節（１）―「無」―分節（２）／挙体性起／存在の階層性／基付け関係／有力・無力
　c）大地と理性――ロシア的人間
　　ロシアの一九世紀／原始的自然／『コサック』／ドストエフスキー
第２章　空／無
　a）「空」の徹底
　　理理無礙／神の彼方／〈無分節な「ある」〉への反転／「存在」の破れ
　b）空と無
　　『大乗起信論』におけるアラヤ識／ユダヤ教カッバーラー／バスターミーの「欺瞞」論／思考の無能力
　c）砂漠と死――ジャック･デリダ
　　ユダヤとギリシアの狭間で／砂漠における彷徨／墓場、あるいは死
第３章　〈いま・ここで＝現に〉
　a）「本質（マーヒーヤ）と「存在（フウィーヤ）」
　　「存在は本質の偶有である」／有「本質」か、無「本質」か／フウィーヤ・マーヒーヤ・タビーア／有「本質」論の三つの型／
　　　　イスラーム「原子論」／無「本質」的存在分節／元型とイマージュ／意識と存在の構造モデル／「概念実在論」
　b）〈いま・ここで＝現に〉
　　「存在」の「独一性」／創造不断／吾有時／「純粋な可能性」としての「無」／証言
　c）「入てん垂手」
　　聖諦と俗諦／俗、あるいは町という共同体／「無」の共同体

**考える名無しさん** · 2018/06/10(日) 17:54:18.75

>>549
確かにその本にある様な話。
・無と虚無主義（ニヒリズム）の違い
・仏教の空は哲学に生かせるか

この種の議論は、他にも沢山ある。

**考える名無しさん** · 2018/06/10(日) 17:54:59.50

>>97の
・『｢無と空｣をめぐって』上田閑照
・『｢空｣と｢無｣の間―仏教思想史の視点から』木村清孝

**考える名無しさん** · 2018/06/10(日) 17:55:59.55

実際、空については仏教をやることになるが、
無については、色々なもと関わりがある。

・哲学
・宗教
・心理学
・数学、物理
・唯物論

**考える名無しさん** · 2018/06/10(日) 18:00:06.31

（1）仏教と空

・『ブッダのことば ―スッタニパータ』ブッダ、中村元訳（1958）
　“つねによく気をつけ、自我に固執する見解をうち破って、世界を空なりと観ぜよ”〔第1119偈〕

（2）解説書

・『仏教の思想　3 空の論理 <中観>』梶山雄一、上山春平 (1997)
・『龍樹』中村元 (1994)
・『中村元選集 22 空の論理大乗仏教』中村元 (1994)

（3）更にその先（空以前、ポスト空）

・『〈仏教3.0〉を哲学する』藤田一照、永井均、山下良道（2016）

**考える名無しさん** · 2018/06/10(日) 18:10:36.15

西田が禅に嵌まっていたのは４０歳くらいまで
それ以降は禅から距離を取り始めていく

**考える名無しさん** · 2018/06/10(日) 19:45:54.03

>>571の龍樹には「空亦復空（くうやくぶくう）」という言葉がある。
これは「空という真理に達したら、そのこと自体もまた空ぜられねばならない（空に執着しない）」というもの。

**考える名無しさん** · 2018/06/10(日) 20:14:40.55

空を絶対視したり空で終わったりするのは駄目なんだな。

**考える名無しさん** · 2018/06/10(日) 23:39:58.40

十牛図では、絵的に見ることもできる。

**考える名無しさん** · 2018/06/10(日) 23:41:29.72

十牛図（牛＝仏性を探す図）
https://www.jisyameguri.com/books/jyugyuzu/

（1）尋牛 - 仏性の象徴である牛を見つけようと発心したが、牛は見つからないという状況。
（2）見跡 - 経や教えによって仏性を求めようとするが、分別の世界からはまだ逃れられない。
（3）見牛 - 行においてその牛を身上に実地に見た境位。
（4）得牛 - 牛を捉まえたとしても、それを飼いならすのは難しく、時には姿をくらます。
（5）牧牛 - 本性を得たならばそこから真実の世界が広がるので、捉まえた牛を放さぬように押さえておくことが必要。
（6）騎牛帰家 - 心の平安が得られれば、牛飼いと牛は一体となり、牛を御する必要もない。
（7）忘牛存人 - 家に戻ってくれば、牛を捉まえてきたことを忘れ、牛も忘れる。
（8）人牛倶忘 - 牛を捉まえようとした理由を忘れ、捉まえた牛を忘れ、捉まえたことも忘れる。忘れるということもなくなる世界。
（9）返本還源 - 何もない清浄無垢の世界からは、ありのままの世界が目に入る。
（10）入鄽垂手 - 悟りを開いたとしても、そこに止まっていては無益。再び世俗の世界に入り、人々に安らぎを与え、悟りへ導く必要がある。

**考える名無しさん** · 2018/06/10(日) 23:43:31.64

8が空

**考える名無しさん** · 2018/06/11(月) 20:02:54.42

空を覚知した後、再び現象世界に戻ってくる

**考える名無しさん** · 2018/06/11(月) 21:17:20.89

科学哲学の辺りもみておこう

**考える名無しさん** · 2018/06/11(月) 21:17:58.98

純粋経験と自然科学

“現代の哲学に於て客観主義として最も徹底したものはベルグソンの哲学であらう。
　直接に与えられたる純粋経験が唯一の実在であって自然科学的世界の如きは
　却ってコンベンショナルのものにすぎない。”

― 『西田幾多郎全集12』「第五講新カント学派」（2004） p46

**考える名無しさん** · 2018/06/11(月) 21:18:56.42

“弁証法とは何処までも具体的な思惟でなければならない”

“自己が物の世界に入り、物そのものとなって考へることである。”

“対象認識の科学といふものは具体的実在から推論式的に媒介せられると云ひ得るかも知らぬが、
　哲学は具体的実在そのものの自己媒介から成立する学でなければならない。”

― 『西田幾多郎全集8』「行為的直観」（2003） p223-224

**考える名無しさん** · 2018/06/11(月) 21:19:30.99

“経済現象といふものを、分析したものの綜合として考へるのでなく、
　生きた全体の過程として見るのである。”

― 『西田幾多郎全集8』「行為的直観」（2003） p238

**考える名無しさん** · 2018/06/11(月) 21:20:10.85

“私の行為的直観とは科学的実験といふことである。
　物理学の如きものでも単に抽象論理からではなく、
　自己に世界が映されることから始まる、表出即表現から始まる。
　そこでは世界の生産様式は唯記号的に表現せられる、即ち数学的である。”

― 『西田幾多郎全集8』「絶対矛盾的自己同一」（2003） p388

**考える名無しさん** · 2018/06/11(月) 21:21:01.89

“数学は人間の工夫であるが、自然と数学との間に偶然ならざる対応がある。
　測定を正確にすればするほど、自然は数学的言表に近づく。
　その為、人は抽象的な数学の原理が自然の中に働く如く想像もした。
　併しそれは測定の程度の低かつた時のことであって、今日は最早さうではない。
　測定の過程を如何に精密にしても、無限にユークリッド幾何学に近づくことはできない。”

― 『西田幾多郎全集8』「経験科学」（2003） p432

**考える名無しさん** · 2018/06/15(金) 23:48:11.99

>>576
ハイデガーは十牛図を見てシレジウスと重ねたという。
シレジウス（1624-1677）は、デリダが否定神学として取り上げもした人。（デリダ『名を救う』）

**考える名無しさん** · 2018/06/15(金) 23:49:12.88

“神は純粋な無である。いついかなるところでも神に触れることはできない。（25）”

“霊妙の神性は無であり、無を超えている。一切のものの中に無を見る人がこの神性を見出す。（111）”

“神は無であり、すべてである。（197）”

― アンゲルス・シレジウス『シレジウス瞑想詩集上下』（1992）

**考える名無しさん** · 2018/06/15(金) 23:49:45.33

エックハルト（1260-1328）は、何を無としたのだったか。

**考える名無しさん** · 2018/06/15(金) 23:50:26.67

“パウロは地から起き上がって、眼を開けたが、何も見えなかった（使徒言行録 9：8）”

“パウロが地から立ち上がったとき、彼は眼を開けたが何も見えなかった。
　すなわち、開けた眼で無を見た。そして、この無は神であった。
　神を見たとき、それをパウロは一つの無（ein niht）と呼んだ”

― マイスター・エックハルト「無である神を捉えること」『ドイツ神秘主義叢書2』（2006）

**考える名無しさん** · 2018/06/15(金) 23:51:11.19

>>588
エックハルトにはラテン語とドイツ語の文献があるが、決定的なのは後者。
この叢書は、西谷、上田らの編集で、巻末に詳しい解説もある。

**考える名無しさん** · 2018/06/16(土) 09:19:42.53

コピペして自己レスかよｗ
どんだけ寂しいんだｗ

**考える名無しさん** · 2018/06/16(土) 11:58:25.80

キリストの「ケノーシス kenosis（自己無化、自己卑下）」

“キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、
　かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。”

― 「フィリピ」 2：6-7

ἐκένωσεν（ekenōsen）
の英訳はemptiedで、「空」とも訳される。

**考える名無しさん** · 2018/06/16(土) 11:59:05.79

>>591
『世界のなかの日本の哲学』藤田正勝、ブレット・デービス（2005）所収の

・「自己を空ずる神と動的な空」阿部正雄
・「神はどこまで自己を空ずるか－阿部正雄のケノーシス論をめぐる議論」ブレット・デービス

が、キリストのケノーシスと仏教の空を比較していて詳しい。

**考える名無しさん** · 2018/06/16(土) 11:59:41.47

この種の話題も、このスレの扱うところ

**考える名無しさん** · 2018/07/09(月) 16:59:09.41

藤田正勝とか氣多雅子が朝日カルチャーとかで講座持ったりしないのかなあ。
どこの大学でも教えてない感じだし。