>今、禊健太郎師匠に『慈悲の実践とは』どのようなものなのか?と、ご教示を承っているところでつ

だから、何回も言わすねぇ。
慈悲の実践とは、勤勉。


どの仕事もみな仏道修行である。
人それぞれの所作の上で、成仏なさるべきである。
仏道修行で無い仕事はあるはずがない。
一切の[人間の]振舞いは、皆すべて世の為となることをもって知るべきである。
鍛冶・番匠を始めとして諸々の職人がいなくては世の中の大切な箇所が調わない。
武士がなくては世が治まらない。
農人がいなければ世の中の食物が無くなってしまう。
商人がいなければ世の中の[物を]自から移動させる働きが成立しない。
このほかあらゆる役分として為すべき仕事が出てきて世の為となっている。
このような有り難い仏の本性を人々[は皆]具えている。
本当に成仏を願う人であるなら、ただ自分自身を信じるべきである。
自身とはつまり仏であるから、仏の心を信じるべきである。

万民徳用 鈴木正三著作集1 中公クラシックス ISBN:4121601548