>>582
ブッダが死んでから三〜四百年後、西暦一世紀前後に伝統的仏教に対抗する宗教改革運動が仏教内で起こります。
大乗仏教運動です。
この宗教改革運動の興味深い特徴の一つは、自分たちの主張をするのに、新しい経典を創作したところです。
経典というのは、ブッダの弟子たちが、ブッダの教えを弟子から弟子へと伝承してきたものを書き残したものです。
ところが、大乗仏教運動の改革者たちは、それらとは別の経典を新しく創作して、あたかもブッダ自身が教えたものであるかのように、自分たちの思想を主張したのです。
法華経はその大乗仏典のなかの一つです。