遠近法において捉えられる対象物を時空間との関係で論じた哲学の論考には
どのようなものがあるのだろうか。日常生活で対象物は、「時空間の中にある」
ものとして無時間的に捉えられているが、遠近法において認識されている
ことが自覚されることで、対象物自体が時間的に捉えられる。歩いてきた
道の振り返って、遠くに見える建物が「さっき通った所」として、つまり、
過去として認識されるように。