『朝日年鑑』昭和22年版(1947年)。宇野弘蔵の作成になる「日本国勢統計図表」の一部。
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『資本論』と私』(2008年、 お茶の水書房254~7頁)より

 …『資本論』の勉強が足りないんじゃないかと思うのですけれどもどうでしょう(笑)。
少し話が大きいかもしれないけれども……。もっとも僕はソビエトによばれる心配はないの
ですけれどもね(笑)。もうすこし本当に勉強して、そういう産業連関表を作るならば作っ
てもいいと思うんです。
 僕は戦後商工省で正木[八郎]君が局長をしているときに頼まれて、日本の産業連関を作ってくれ
といわれた。いまの言葉でいえばですよ、そのころはまだそういう言葉ははやっていなかっ
たのですがね。22年ごろだったか一年ほど商工省に行って、いろいろな資料で図表を作った
ことがある。いい加減な数字ですけれども図表にして、ストラクチュア・オブ・アメリカン
・エコノミにあるような図表を作ったら、正本君よろこんでしまって、なかなかいいから展
覧会に出すという。展覧会は弱るよ、といったら、『朝日年鑑』がぜひ欲しいというので、
『朝日年鑑』にのせたことがありますよ。いたずらだけれども。
 そういうものを資本主義もやっているんです。同じことをやるんです。これは食糧を食う
のは社会主義でも資本主義でも同じですからね。そしてそれを作るのもやはり同じでしょう。
畑によって麦を作るわけです。もっともこれも次第に植木鉢で作れるようになると簡単にな
るかもしれない。化学合成法になるかもしれない。…