主人が慈悲を乞ふているわけではないのだから、主人がどんな状況に
陥ろうと、無慈悲に接してやることこそが慈悲である。それでも、
主人が慈悲を乞ふなら、それに気づかないふりをしてやることが
慈悲というもの。それでこそ最後まで主人は主人としての尊厳を
保つことができる。