(1) 数学的命題は、それを厳密に分析すれば、時空世界の現実については何も断定していない。
このことは特に「昨日は雨が降ったか、または、昨日は雨が降らなかった」のような現実命題を
考えてみれば明らかだろう。だだし、この理由はこれらの条件を満たすような数学以外の純粋に
概念的な知識の存在を排除するものではない。

(2) 数学的対象は正確に認識でき、帰納的ではなく演繹的推論による確実性をもって一般法則を
認識することが出来る。

(3) それらは原理的に感覚を用いることなしに、理性によってのみ認識出来る。このことから、
それらは感覚が私たちに与える現実については関与せず、ただ可能性と不可能性のみに
関与しているのである。