人生初期における資産のある無し、社会環境の良しあしとその威力によって、
その後の人生の質に雲泥の格差が出来る。お金がそれだけの物神的威力を
持ってしまってよいのだろうか。マルクスは貨幣は人間を疎外すると述べていたが、
貨幣がないことも人間を疎外するように思える。もちろん、人間の価値を
すべて貨幣へと換算するような資本主義社会も人間疎外の歪な社会であると
言えるだろうが。

遺伝子の良し悪しもあるが、やはり、人生の初期値としてのお金や資産の有無が
その後の人生の軌跡を大きく左右することは、ほぼ間違いないだろう。
人生の初期値が恵まれないと、底辺人生を強制的に歩むことになる。
それはまるで奴隷や囚人のような不本意な非人間的な人生となる。