>>962
>楕円は、その中でこの矛盾が解決され、また実現されてもいる運動形態の一つである。

マルクスは資本論第2部19章3,4でもスミス関連の記述(v+mのドグマ批判19:2の直後)で
楕円の比喩を使う。

19:3
《A・スミスは、みずから自説をのちに放棄しながら、しかも、自分のもろもろの矛盾を
意識していない。だが、これらの矛盾の源は、まさに彼の科学的出発点に求めるべきである。》

19:4
《.…商品のこの価値部分[労賃]の本性または大いさを変化させないのは、生産手段が資本価値
として機能することが、生産手段の価値を変化させないのと同じであり、また、一直線が三角
形の底辺または楕円形の直径として機能することが、この直線の本性および大いさを変化させ
ないのと同じである。》

ただし第3部で楕円の比喩は使わない

3:48:3
《…すべてが多かれ少なかれ、もろもろの
前後撞着、中途半端、および、未解決の矛盾におちいっている。ところが、他面、現実の
生産当事者たちが、資本──利子、土地──地代、労働──労賃、というこれらの疎外された
不合理な諸形態においてすっかり気安さを感ずることも、同じように自然である。というのは、
これこそは、まさに、彼らがその中で運動し、それと日々かかりあわねばならぬ仮象の諸姿容
だからである。》河出書房新社訳