マックス・ヴェーバーはじめ多くの論者が近代資本主義と民主主義の基にプロテスタンティズムがあることを認めている。

岩波キリスト教辞典にはプロテスタントのピューリタニズムについて
「人権思想、民主主義の発展、近代主義、資本主義の基本理念の土台形成に寄与した。」
と記す。

ピューリタン革命はマルクス主義においてもブルジョア革命として認識されている。

僕はイギリスピューリタニズムの淵源は宗教改革の先駆者で後々のプロテスタントに影響を与えるジョン・ウィクリフだと思う。

彼の思想をよく表すのは
「この聖書は人民の人民による人民の為の政治に資するものである。」
という言葉である。

ウィクリフの直接の言葉かどうかは議論があるが
リンカーンがウィクリフのこの言葉を引用し
「人民の人民による人民の為の政治」
と言ったのはあまりに有名。

ウィクリフの信奉者で農奴解放などを求めたワット・タイラーの乱のイデオローグだったジョン・ボールは
「アダムが耕し、イブが紡いだ時どこに領主がいたか!」
と問いかけた。
こうした伝統抜きに近代民主主義や近代資本主義の淵源を問うことはできないだろう。