そもそも殺人は悪であるのか?
社会通念上、殺人は間違いなく悪である。殺人は悪いことか?と聞かれれば、反射的・身体的に「悪だ」と意識するだろう(たとえ正当防衛の場合や死刑制度の場合を考慮したとしても)。
しかし、ここに状況が加味されると、「この殺人は悪でもこの殺人は悪くはない」という矛盾した意識が芽生える。「あいつは殺されても仕方がない」のである。殺人を肯定している訳ではなく、ただ何が悪であるかどうかは状況が決めるのである。