僕は武道を教えていますけれども、それは今の子どもたちに「君たちが自然だと思っている身体運用以外の
仕方がある」ということを教えるためです。身体の使い方は言語と同じように構造化されています。
子どもたちが現代的な言語運用のルールに繋縛されているように、現代的な身体運用のルールに繋縛
されて、それが自然だと思って暮らしている。すべての人間は自分と同じように身体を使って
外界を感じ、身体を動かしている、そう素朴に信じ切っているわけです。

人間の身体は太古から現代まで、世界中どこでも「同じようなもの」だと信じ切っている。
でも、彼らの身体運用はまさに2018年の現代の都市で暮らしている子どもたちに
選択的に強制された「奇妙な」身体の使い方なのです。