生まれてきたことは罰という考えに対して、エピクロスは『メノイケウス宛の手紙』にて次のように批判している。


はるかに悪いのは、こう言う人である。すなわち、生まれないのが善いのだ。
「だが、生まれたからにはできるだけ速やかにハデスの門をくぐること」
と言う人である。というのは、もし確信してこう主張しているのなら、かれは何故さっさとこの生から去ってゆかないのか。固く心を決めさえすれば、こんなことはかれにはすぐにでもで
きることなのだから。だが、たわむれに言っているのなら、そんな言葉を受け付けない人々の
あいだでは、かれは愚にもつかないものである。