>>51 そうかい?>>46との話から繋がっているけど

ハイデガーは、死の先取りによって、実存に本来性が開示される、としている。
子を持つウクライナの若い兵士が毎日沢山死んでいる現実や先のトルコ地震で
3万人以上の人間があっけなく死んでしまった事実を目の前にした時、人は
このような世界を哲学的にどう解釈するか、どう捉えるか、という本質的な問題へ
つなげることが出来る。現前にある死は、人を否が応でも本質へと向き直させる。

毎日、バカみたいにスレ荒らしをする人間でも余命一ヶ月と知れば、もっとマシな
ことをするよう転向するかもしれないだろう。その転向を本来的というのさ。
己の死と向き合うことで、馬鹿と愚劣(非本来性)が治る一縷の望みがあるということ

反出生主義も哲学的には同様のことをやっている。人類の消失した非出生の世界という
極限を提示して、それを今の火宅の壺世界と比較考量しているのだから。あるいは、
非出生の人類不在の世界が望ましいと思えるほど、この世界の邪悪さをグノーシス主義的に
暴露していく、というスタンスも伴っているのが反出生主義である