それこそ統合失調症、かつての分裂病を専門に研究されてた木村敏先生の初めての著書を読んだ時に本当に鮮やかに浮き彫りにされてて圧巻だった部分だよ
統合失調症の患者さんはよく自分は本当は芸能人の子供なんだとか天皇陛下の隠し子なんだとかそういう妄想に囚われるんだって
傍目からすると馬鹿げてるし意味不明なんだけど
ご当人はあくまでも真剣なんだよね
それを木村敏先生は彼らがその妄想に囚われてる姿を通して周囲に何を言わんとしてるのかって真剣に考察を重ねてひとつの帰結を導いてた
それは わたしには(ほんとうの)親はいない だったって
統合失調症の原因が遺伝であるのか環境であるのかっていう問いに先生は統合失調症の彼が彼という、その固有の両親の元、その家庭に生まれついて育つ運命が整っていたということを考える時には始めから罹患することが決定付けられていたという意味で環境であると述べられてた
今の親ガチャ論にも通じるロジックを1970年代に日本の頭脳とも呼べる医学研究と哲学の偉人が堂々と著述していることにも驚くんだよね