気候変動時代におけるC/2モデルとは何か?
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現代の資本主義に欠陥が多いことはよく指摘されている。たとえば、 斉藤幸平などが言うように、グローバル・サウスからの資源や低賃金労働力、 あるいは、児童労働力の搾取などによって成立している。また、先進国が排出 する二酸化炭素や排気ガスは、そうしたグローバル・サウスの国々へ転嫁、 外部化されているため不可視になっている。我々先進国の人間は、自分たちの 快適な生活を維持するために、その負荷やツケを貧しいグローバル・サウスの 人々やまだ生まれていない将来世代へと無責任に押し付けているのである。 よって、現代の資本主義が矛盾をきたし、生態系学的な観点からもこれ以上 持続可能でないことは明らかである。そこで一つの提案として、私は資本主義 システムに代わる、「C/2モデル」というのを提案してみたい。 これはキャピタリズムC1とコミュニズムC2的な要素をかけ合わせて2で 割ったようなハイブリッド型の新しい経済社会モデルである。現代では社会の あらゆる領域に「資本の論理」が侵食してしまい、コモンズの領域や公共善、 良き地域コミュニティ、豊かな非経済の論理や感性が消尽した人心の荒廃 しきった冷たい社会になってしまっている。 C/2モデルは生態系を破壊し尽くす資本の暴走を制御し、グローバル・サウスから の掠奪をやめ、フェアトレードの重視や食品ロスの少ない、環境負荷の低い社会を 目指すものである。地産地消といった地域循環型の経済社会モデルなども回復 していくようにすれば良いだろう。また大量消費や広告による欲望喚起、大量の 排出や廃棄を生む現行のモノ重視の資本主義から、禅などの精神性を重視する 価値観へとシフトすることも求められるであろう。 現代の資本主義は広告やマーケティング、新たな意匠を埋め込んだ新商品開発に よって、たえず人々にモノやサービスへの欲望を喚起し続ける。これは、経済成長の 観点で考えれば良いことにも映るが、現代は気候変動の時代へ突入しているため、 こうした既存の経済社会モデルでは行き詰まることが明らかなのである。 企業は製品や商品に計画的陳腐化を付与することによって、たえず新たな商品や 製品への購買行動を促進する。そして、そのことが地球環境に壊滅的な負荷を もたらしていることも、ようやく徐々に世間にも知られるようになってきている。 アップルなどは、たえず独自仕様のポートや規格を打ち出して、既存の規格を 陳腐化することで買い替えを促進するような、環境破壊的なビジネスモデルを 展開している。ユニクロなどのファストファッションが顕著に環境に悪いことも よく知られている。 つまり、現行のビジネスモデルは、生態系の観点から言うと、大きく間違っている のである。短期間でのスマホの買い替えなどももそうである。 また、気候変動の時代に全くそぐわない現行のGDPベースで国の豊かさを計るのを やめて、SDGsベースに基づくC/2モデルによって、国の先進性や成熟度を計る ようにし、生態系と調和した価値観と行動変容を人々に促すようにするのである 格差社会を減らす、ジェンダー差別をなくす、無駄な消費をしたり、生産をしない、 食品ロスをなくす、地産地消を促す、などを新たな指標の要素にするのである。 公共的なシェアリングエコノミーの領域を拡大し、お金がなくても困らない ようなセーフティーネットを張り巡らせておけば、失業しても困らないのである 空き家が多いのだから、住宅なども無料で住めるところを公的に確保すれば よい。住居は、誰も住みもしない空き屋が投機目的で売買されて高騰している状況で あり(ニューヨークなど)、これが社会的なコストになっていることも明らかである。 ホームレスが沢山いるのに、誰も住みもしない空き家が投機目的で売買されたりするのが、資本主義の持つ悪の一つである。「資本の論理」だけでやるから、すべてが投機の対象になってしまい、健全な使用価値や公共善が剥奪されてしまうのである エコポイントや節電ポイントなどがあるが、消費をすることではなく、無駄な消費を しないこと、リソースや資源をなるべく使わないことに優遇措置や特典があるような 経済社会モデルへの転換が求められる。これには労働時間の短縮も伴うので、 人々の余暇や幸福度向上への寄与にもなると考えられる。 つまり、増やすことに価値を求めるのでなく、減らすことに価値を置くのである。 先進性や成熟度の基準が、今までとはベクトルの向きが逆になっていくのである 多くの人々はドーパミン中毒による快楽に弱いので、新商品、新製品、新サービスと いった新奇性へと流されやすい傾向にある。企業が作った資本のフォーマットや 広告、ステマ、提灯記事や利益相反のあるインフルエンサーにたやすく洗脳された 消費者は、己の意思をもたぬ粒子のように整流化され、自己コントロール感を やがて喪失するのである ハイデガーであれば、これを資本による頽落性とでも表現するかもしれない マルクス的に言うならば、資本による人間の疎外となる。 「消費は飽きる。お金を使うことで幸せを感じる人は一生幸せになれないし、 奴隷的な人生から抜け出せない」 これは、ひろゆきの言葉だが、SDGsや持続可能性の観点から言っても正しい 見解である。新たな消費や購入からもたらされる新奇性の享受など、すぐに飽きて、 今ではほとんど使わなくなった商品など、部屋中にゴロゴロあることだろう。 それが、そのまま環境破壊の原因になっているのだから、消費や購買によって 新奇性を充たそうとするのでなく、ブリコラージュ的な創意工夫や自分の手仕事で 新奇性を作ればいいのである。 このスレで言えば、C/2モデルというのがそうした手作りの新奇性であり、 これは何かを消費することではないのである。概念を作り出すことも新奇性に なるのである 消費的でない領域を自己開拓していき、「資本の論理」の外部で生きられるように 創意工夫することが、SDGsや気候変動の時代には求められていくであろう 消費や資本主義的なサービスへの依存に陥るのではなく(ハイデガーの頽落や ダス・マン)、その外部を探索、考究していくこと、これが真の人生や哲学になるのでは ないだろうか。企業が作った新しいゲームやサービスをいくら消費したところで、 それは所詮、「資本の論理」の内部に飼われ囲い込まれている奴隷になることに 過ぎないのである 現代人の不幸は、自然性が剥奪されていることである。よって、人々は機械やスマホなど非自然とばかり触れるようになり、生物としての本質から乖離していくようになる 現代人にとって自然に囲まれた豊かな暮らしなど、もはや手の届かぬ贅沢品のような存在になっている 自然というのはアシンメトリーである。それに対して、整形した顔や人工物はシンメトリーなものになりやすい 自然の中にも対称性があるように見えるものもあるが、それもよく観察すれば微妙なグラデーションや差異、凹凸があって、シンメトリーにはなっていないことが分かるだろう そのため自然は多様性そのものだと言える。 そして、資本主義的なものは、シンメトリー的なものになる。多様性のあるコンビニやマクドナルド、ユニクロというものはない。世界各国、どこでも同じである 世界を単調なモノトーンに塗り潰すのが資本主義であり、かつ、生態系をも顕著に破壊しているのだ 「生産は常に赤字である」と述べたジョージェスク・レーゲンという経済学者がいる。 ものを作る時には、どんな些細なものでも、計画、準備、材料集め、加工、組み立て、 整備……というような「面倒な」プロセスが必要である。経済学者は、販売価格と製造に 必要なコスト計算して、販売結果の金銭的な黒字、赤字を論じてきた。 この経済学者は、金銭的な計算ではなくて、製品を生産するために、どれだけ 地球の環境を変化させたか、という環境変化の大きさを考えれば、どんなに 小さな製品の生産も必ず環境変化を生んでいるのだから、生産する前より 環境を汚した分だけ「環境会計」上は赤字だ、と言うのである。 変化の指標として、この学者は「エントロピー」という概念を使っている。 簡単に言えば、ものを作るということは、バラバラのものを組み立てる という操作である。ものが壊れるということは、組み立ったものがバラバラに なることである。 エントロピーという「変化」を示す指標は、バラバラの状態では大きく、 組み立てられた状態では小さい。 生産は常に赤字という原理は、ものを組み立てて、 エントロピーの小さい状態を出現させるには、どこか他の場所にもっと大きな バラバラ状態を出現させなければならない、という自然のルールを示している。 自分の部屋を掃除して整頓する(エントロピーを減らす)には、出たゴミの処分から、 働いてお腹がすいて食べるラーメンのエネルギー消費量まで入れると、結局全体としては、宇宙に対して結構な環境会計上の赤字、つまりエントロピーの増大を引き起こしているということである。 環境に与える変化(バラバラ状態をつくる程度、つまりエントロピーの増え方)は、 生産された製品が、単純なものなら小さく、手の込んだものは大きい。作るのが 簡単なものは小さく、面倒なものほど、大きい。旧石器より新石器が生産の赤字は 大きい。青銅剣より鉄剣のほうが赤字は大きい。自転車より自動車のほうが赤字は 大きい。紙芝居よりテレビのほうが赤字は大きい。電話よりスマホのほうが赤字は 大きいのである。 便利なものほど赤字が大きい傾向のあることは歴然たる事実なのだ 、とこの学者は 警鐘を鳴らしている。とりも直さず、アマゾンの森の人が一人、一〇〇ワットで 生活しているのに、日本の我々は四キロワット使わないと、人並みの生活が できない状態にある。エネルギージャブヅケ≠フ生活は、環境会計というか、 「エントロピー」大赤字の結果と対応しているのである。 エントロピーの赤字、 すなわち地球上の「汚れ」の増大を償ってくれるものは何かというと、それが 太陽エネルギーなのである。 太陽はエントロピーの小さい「上等」の光エネルギーを地球に送ってくれる。 それを「利用」して、エントロピーの大きい、汚れた「下等」の光エネルギーに して宇宙に放散するというプロセスは、地球上でのエントロピーの赤字を帳消しに することなのである。地球温暖化という現象は、大気を排気ガスで汚した結果、 「下等」のエネルギーが宇宙に放散され難く(赤字を清算し難く)なった結果 起こることである。 要するに、一〇〇ワットといえどもエネルギーを使って生きていれば、食糧であれ、 狩猟のための弓矢であれ、生産に関与しているのであって、その結果、 環境会計的には赤字を地球に押し付けている。 『日本永代蔵』の冒頭に西鶴が書いた「天道もの言わずして、国土に恵みふかし」 という言葉は、太陽はだまって人間の活動上の環境会計の「赤字」を補塡して くださっています、という言葉だったのである。 お天道さまが補塡してくださる 範囲の赤字で生きていくべき我々は 、「技術」の発展の結果、化石燃料、 原子力などを利用して、大幅な赤字を生みながら贅沢している。 その赤字を補塡するのは、未来社会の人々であるということを「忘却」しない ためには、すぐには神様に壊されない、丈夫で長持ちするものを使い、赤字を 少しでも残さない努力、すなわち倹約を第一として暮らさねばならない 消費の活性化などは滅相もないことなのである 日本はまだマシ 欧州はガチで気候変動ヤバすぎて死人とかいっぱい出てる 夏の記憶40度超えるのが普通とかもうどう考えてもおかしい 大陸だけじゃなくて島国のイギリスもやべー感じなってる 気候変動リスク指数(CRI)だと日本はずっとトップ10以内で先進国ではワーストでしょ 北米もヤバいよね。 カナダも灼熱地獄と山火事が常態化しつつある 【苦行】11月に入っても夏日が続く模様🥵💦 [583597859] 2週間天気 秋晴れが続き夏日も 朝晩と昼間の寒暖差大 紅葉の色づきが進む 後半(31日~11月5日): 朝晩と昼間の寒暖差大きい 31日(火)はハロウィンですが、湿った空気の影響で、東海や近畿は雲が広がり、雨の降る所もありそうです。11月1日(水)も関東や近畿では、雨が降りやすいでしょう。3日(金:文化の日)は広い範囲で晴れて、行楽日和となる見込みです。4日(土)と5日(日)も、東海から西は秋晴れが続きますが、関東から北海道では雨の降る所があるでしょう。 最高気温は、平年より高い日が多く、11月に入っても、関東から九州では25℃くらいまで上がる日がありそうです。昼間は薄着で過ごせますが、朝晩はヒンヤリして寒暖差が大きくなります。体調を崩さないように、調節しやすい服装でお過ごしください。 https://tenki.jp/amp/forecaster/kubo_tomoko/2023/10/23/25794.html https://i.imgur.com/dofyBzD.jpeg 欲望と我欲の塊を生む資本主義 人間という地球上最悪のウイルスは、その大きな罰を 生態系から受けることをここに予言しておく。 ウイルスは生態系の一部だろう。それなしに生態系が存在し得るのかすら疑わしい。 キモすぎ https://i.imgur.com/lJ3Skna.jpg うじゃうじゃ漂う白いムシ…北海道各地で「雪虫」が大発生…その原因は”夏の猛暑” 発育スピード早まり何世代も繁殖繰り返す…しばらくは飛びやすい天候続く(北海道ニュースUHB) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/81edfd4e40da2cce3b3f531f6e81d81074d083a1 261 名前:考える名無しさん 2023/10/29(日) 02:07:55.43 0 >>254 移民の増加でコモンを維持するためのコストが限界を超えたんだよ 現実は資本主義のシステムなしに世界は回らない 共産主義システムにするには、外国からの侵略リスクの除去と移民流入の禁止と 資源確保は最低条件になる 移民排斥と資源確保は一部の国では可能だとしても、外国からの軍事的脅威を 無くすことはできない 結局、コモンというのは地方の田舎には当たり前にあるもので、それは小規模の共同体だから可能であるに過ぎない 262 名前:考える名無しさん 2023/10/29(日) 02:25:18.07 0 国家の外部には国家の犯罪を取り締まる警察や裁判所は存在しない。 よって国家には軍隊が必要になる。 この時点で安全保障の観点が必須になるで、経済成長や生産性向上が必須になる。 経済成長や生産性向上のためには競争が必要になる。 格差は競争が機能した結果である。 国家の安全保障が担保されれば、国内の犯罪に対処するだけでいい。 国家の内部には警察や裁判所があるので、犯罪に対する治安維持は可能になる。 共産主義システムは国家間の戦争、貿易摩擦、資源確保や移民流入を無視した 実現不可能なシステムである。 このC/2モデルを使えば、>>262 のような軍事的な懸念もカバーできる。 対国家間における軍事侵攻されるリスクには、資本主義的なモデルで対処し、 対国内における社会は共産主義的な比率の高いモデルで、ジェンダー含めた 格差社会をなくし、生態系においても適応的な社会システムを採用する、という 方針になる。 軍事的な紛争の高まりが予測されるフェーズにおいては、資本主義的なモードを 暫定的に高める、といった措置も取れるであろう。C/2モデルはかつての 共産主義のような硬直的なモデルでなく、可動性のある柔軟なモデルなのであるから C/2モデルは、資本主義と共産主義が一国において共存しているような社会モデル のことを意味しているので、非常にバランスの取れたシステムであると言える。 生態系や気候変動への対応フェーズでは、生産や消費を控えたり、地産地消、 自給自足の推奨など、共産主義的な領域で対処するようにし、外国からの 軍事侵攻へのリスクに対しては資本主義的なモデルで、最新のテクノロジーを 利用するようにする。 つまり、一国の中で、ハイテクとローテクが上手く混在しているようなイメージだ。 それぞれ比較優位となる領域があるので、その領域に適応的となるように利活用 する。国内社会において資本主義モデルを過剰に取り込むのは、持続可能の観点から も今後は適応的とは言えなくなることだろう 移民問題はなかなか難しいと思うが、自民党のように労働力確保のために移民を 推奨することは、対国内における資本主義モデルへの偏重につながるので、そうした 経済的な労働力移民は避けた方が良いだろう。これは当然、奴隷のように扱われて いる外国人技能研修生も含まれる。そうした移民は治安の悪化にもつながる。 ただし、経済ではなく、政治亡命先などリベラル的な観点からの移民であれば、 受け入れてもいいと考えられる。つまり、経済の捨て駒にするための移民は避ける べきだが、公共善や人道の観点からの移民は、ある程度、入れた方が良いのでは あるまいか。外国人の存在は、硬直化しやすい日本社会に多様性を育む土壌にも なるので、そうした人道的配慮に基づく政治的な移民は入れてもいいだろう あすから11月がスタートしますが、季節は逆戻りしそうです。11月としては異例の高温となるでしょう。九州から東北南部にかけて夏日(最高気温25℃以上)が続出する予想です。福岡市は5日連続、東京都心は3連連続の夏日予想で、ここまで夏日が続けば統計開始以来、初めてのこととなります。 11月としては異例の連日「夏日」予想 現行の資本主義モデル(旧型モデル) : タイプA 経済至上主義。生産、消費重視、テクノロジーの進化、競争の推進、経済成長モデル、 人間中心主義による設計思想。GDPの重視。大量の廃棄、排出物、地球資源を乱用 貨幣と資本の増殖運動へ頽落する。我欲と貪欲を煽る電通やテレビによる動員(洗脳・B層) 個々人が権力者やステークホルダーのパペット、モルモット、被験者となる 未来の生態系中心の社会モデル(新型モデル) : タイプZ 持続可能性重視。適量の生産、消費。労働時間の短縮(生産力と消費の縮減に比例)、 生物多様性やエコシステムへの配慮とそれに基づく社会実装。SDGsの重視 すべての生物への地球リソースの再分配を志向する。社会格差の是正・公平 スローライフ。価値観の多様性を許容する。個々人が自律した独自のthinkerとなる だいたいのイメージが、このような感じになる。つまり、現行の資本主義モデルは、 もはや古臭いものだと言える。未来の生態系中心の社会モデルへと移行することが、 気候変動時代には適応的な先進モデルであると言える。だが、大半の人々は旧型モデルに 未だ固着しており、日本の場合は高齢化によって脳の可塑性が失われているので、新しい 生態系中心の経済社会モデルへのヴィジョンを欠いているので、私がこのように地道に 啓蒙し続けているのである。 反実仮想(counterfactual)と呼ばれる概念について。反事実とも呼ばれる。 反実仮想とは、「実際には〇〇したが、仮に〇〇しなかったとしたら…」 と、実際の選択とは別の選択をしたケースを想定していることを指す 反実仮想は、「仮に…だったら」、という実際には起こっていない選択を 考える点がポイントになる。たとえば、国民がコロナワクチンを打たなかった 場合のコロナ感染者数やコロナ死者数の推移などの予想が、そうした反実仮想の 一例になる。斉藤スレに絡めれば、現行の資本主義モデルを捨てて、脱成長モデルを 選択した場合の社会の変化や、自然環境の状態の変化、人々の幸福度の変化などが、 そうした反実仮想の例となる。 もし、日本が脱成長モデルを選択した場合に、人々の幸福度の向上が顕著に 上がったり、生態系や自然環境の状態が良くなったり、市民の間に、社会的な 公平が実現された場合は、脱成長モデルは、現行の資本主義システムよりは、 良いモデルである、と表現できるのである。 ちなみに、この反実仮想の概念を用いて因果推論を行う手法は、ドナルド・ルービン によって提唱されたものである。 ここでは、実際に観測できた変数を結果変数、存在しなかった場合の変数を 潜在的結果変数と呼ぶ。たとえば、国民が全くコロナワクチンを接種しなかった場合の コロナ感染者数やコロナ死者数の推移、脱成長モデルを選択した場合の社会の変化や、 自然環境の状態の変化、人々の幸福度の変化などが、潜在的結果変数に該当し、 これが反実仮想を指していることになる。 ここで結果変数をY₁、潜在的結果変数をY₀ と置くと、以下のように表すことができる Y₁ - Y₀ この値を個体レベルの因果効果、もしくは、個体レベルの処置効果と呼ぶ。 英語では、ITE : Individual Treatment Effect と呼ぶ。そして、ITEの数式は、 結果変数(Y₁)だけでなく、実際には観測されていない反実仮想の結果である 潜在的結果変数(Y₀)を含んでいることがポイントとなる ここでは、現行の資本主義モデルで感じる個人の幸福度を結果変数(Y₁)、 脱成長モデルを選択した場合の個人の幸福度を潜在的結果変数(Y₀)として 考えて、全国民について Y₁ - Y₀ の計算を行い、この集団での平均値を求めるのである。 このケースでは、すべての日本国民、すなわち集団での因果効果を「平均値処置」 と呼ぶ。英語では ATE : Average Treatment Effect と呼ばれるものになる。 この平均値処置効果ATEを数式で表すと、 ATE = E(Y₁ - Y₀) = E(Y₁) - E(Y₀) となる。ここでE()は、期待値(平均値)を求める計算となる。具体的には、 日本国民の合計がN人の場合 ATE = 1/N Σ[i=1→N](Y₁ - Y₀) = 1/N Σ[i=1→N](Y₁) - 1/N Σ[i=1→N](Y₀) といった感じになる 一般的に因果推論を実施する、因果の大きさや処置の効果を求める、といった際には このATEの大きさを求めることになる。このような形で、現行資本主義での国民の 幸福度と、脱成長モデルを選択した場合の未知の幸福度のいずれかが高いのかの シミュレーションなどを通して、どちらのモデルの方が良いモデルであるかが 明らかになるのである。これを国民の幸福度に関してだけでなく、生態系への影響、 暮らしやすさ、平和への寄与、または軍事侵攻されるリスク、持続可能性の観点などで、 両モデルのいずれが望ましいのかが、シュミレーション上で浮き彫りにされていくのである。 また、現行の資本主義モデルか脱成長モデルかと、二項対立で考えるのではなく、 この2つのモデルの比率を最適なレベルで混交したモデルをグラデーションとして 考えることも可能であろう。私は、とりあえず、このグラデーションモデルから 初めてみるのが良いのではないかと考えている。 そして、一部の地域でのパイロット事業として、脱成長モデルを社会実装してみて、 その効果を検証した上で、それを全国的に広範に導入できるものなのかを判断する といった施策があっても良いと考えられる。 まず、資本主義の本質とは一体何なのだろうか。アインシュタインは、人類最大の発明で あり、宇宙で最も偉大な力を「複利」であるとしたが、この複利が資本主義のキー、 すなわち、本質になっている。 また、資本主義とは信用創造という名の借金や負債による先取り経済のことである。 先取りであるので、利息が付き、これを支払うために、債務のある企業は地球の資源を 乱獲・乱開発し、過剰に生産・廃棄する現行の資本主義システムに従って、生態系を 簒奪し尽くすように動員されてしまうのである。破綻したサブプライムローンや>>233 にあるようなカードローン、教育ローン、住宅ローン、クレジットカードでの膨大な債務も こうした「複利」による効果である。 資本主義は複利や利息、利子、信用創造という名の実体経済による担保のない レバレッジ取引によって、債務や利息返済、株主への配当金を捻出するために、 企業活動を過剰生産へと向かわせたり、借金やその利息返済のために、 労働者は過剰労働や奴隷労働(社畜)へと向かわせるスキームのことを指す。 この複利システムの下では、必然的に必要以上のものを生産したり、消費させることで、 利息や配当金の原資を捻出したり、また、労働者の側もローンの返済やその利息の 支払いに一生追われることになる。こうした資本主義の持つ過剰性が、生態系を 顕著に破壊する要因になっている。つまり、資本主義の本質である、複利・利子を 生成する債務システムが地球環境破壊の原因である。 そこで現行の資本主義システムに取って代わるものとして、段階的に「定常経済」へと 移行するのが良いと考えられる。以下が、定常経済の定義になる ・ 生態系が再生できる量を超えて採取してはならない ・ 生態系が安全に吸収できる量を超えて廃棄、汚染してはならない 日本では、最近、放射性汚染水を海洋放出しているため、上記の「定常経済」からは この点だけに限ってみても既に逸脱していることが分かるだろう。定常経済では 生産や消費、廃棄に上限を設けるアプローチである。それらに、生態系の持続可能性や プラネタリー・バウンダリーという環境倫理に基づく上限制の閾値を設けるのである。 人々は、今の社会を民主主義である、と素朴に信じているが、実際には民主主義などは 一度も実現された試しはないのである。現代社会は民主主義というより、金権腐敗主義と でも呼ぶ方が、より実情を反映したものになる。 これはアメリカ社会などでみると分かりやすい。アメリカの政治は、巨大企業や富裕層の ロビイスト活動やレントシーキングによって動いているので、そこにはそうした利権集団や ごく一部のステークホルダーのレント(超過利潤)のための政治が行われている。 従って最初から一般市民のための政治など、全く行われていないのが実情である。 ウォール街や巨大企業の利益のためには優遇税制や制度策定含めて政治は動くが、 一般市民のためには政治はなかなか動かない。なぜなら、多くの投票権を事実上握って いるのは巨大企業であり、超富裕層であるからだ。 メディアやジャーナリズムもこうしたユダヤ的な国際金融資本に牛耳られているので、 言論の自由や広報もこうしたステークホルダーや利権者に有利になるように常に 誘導されている。もちろん、政党や有力政治家への巨額な政治献金もあるので、 一般市民のニーズなど、全く考慮されないのが現代の金権主義という疑似民主主義 である。その事情は日本でも変わらず、壺自民党と経団連(企業)、上級国民のニーズに 従って政治が行われ、真の民主主義は機能不全に陥っているのが現状である。 つまり、今の社会は民主主義社会ではなく、事実上、利権・金権腐敗政治となって いる。日本をみれば、壺自民党議員が世襲議員だらけなのをみても一目瞭然であろう。 戦後のどさくさに紛れて、GHQ利権と結託して巨富を得ていたような一族が、そのまま 壺自民党で長年世襲政治を続けているだけである。 イギリスであれば、経済の原動力と呼ばれるシティ・オブ・ロンドンでは大企業にも 議会の投票権が付与されるため、大企業ほど所有する投票数が多くなり、政治が そうしたステークホルダーの意向に沿って歪曲されるようになっている。また、 イギリスの貴族院(上院)の議員が選挙ではなく、任命によって選出されるため、 事実上、多くの議席が富裕層のお金によって買われている。 生態系ベースの新たなフィロソフィーを私が今、おおまかな試案として作成した。 各カテゴリーⓐ, ⓑ, ⓒ, ⓓ, ⓔ, ⓕ の中に、それぞれ対応する各ノードが布置している。 各カテゴリーの中心カテゴリーはインフィニティの∞で表すようにした。視覚的に 図示できるものだが、今回は、省略して文章だけで記述する。各ノード間にある矢印は、 影響関係のベクトルや方向性を表す カテゴリーⓐ 超水平性 : 各ノード: ・生物多様性に基づくエコシステム →・インクルーシブな社会(社会的包摂) →・ロールズの「無知のヴェール」 → ・競争モデルから共生モデル→・脱格差社会 (再分配モデル) カテゴリーⓑ 価値 : 各ノード: ・貨幣ではなく、価値の探索と蓄積 →・マルクスの「自由の王国」、経済と労働 疎外からの解放 →・D=G(ドゥルーズ・ガタリ)のリゾーム、脱ヒエラルキー →・脱資本・ 消費主義(脱物象化1) カテゴリーⓒ 電子的コモンズ : 各ノード: ・フリーエコノミー(非貨幣型経済) →・クリエイティブ・コモンズ →・オープンソースの 思想(Linux等) →・生成AI カテゴリーⓓ サーキュレーション(循環) : 各ノード: ・地産地消 →・ダーチャ的自給自足 →・有機栽培、オーガニック →・スローフード →・有機食品、ヴィーガン等 カテゴリーⓔ 捨象 : ストア派、仏教 →・禅的な簡素な暮らし →・ミニマリズム(脱物象化2) カテゴリーⓕ 最適化 : 気候変動に適応した新たな経済社会モデル カテゴリ∞ 生態系ベースによるエコノミー : ・脱人間中心主義思想、生態系中心モデルに基づく社会実装 上記にある、各カテゴリーに内包された各ノードが生命や神経系のような自律的なネット ワークを生成し、生態系ベースの新たな価値と社会を組成、創発していくイメージである。 各カテゴリーの中心に布置するカテゴリーであるインフィニティ∞は、このような生態系に 基づいた無限の生成器(ジェネレーター)を意味している この生態系ベースのフィロソフィーから分かる通り、こうしたネットワークで生成される社会や 経済、そして価値観は従来の資本主義モデルによるものとは大きく異なるタイプに属するもの である。資本主義は人々を貨幣と欲望、快楽の奴隷へと頽落させるが、この生態系ベースの フィロソフィーから派生、フォークしていく各ノードでは、市民に自律的な主体性を獲得させ、 貨幣や物、労働による疎外からの脱却を促すものとなる。そのとき市民は、生態系における 代替不可能な重要なプレーヤーとなる。資本主義モデルでは、市民は単なる機械の部品、 交換可能なパーツになるだけであった。戦時中であれば、捨て駒になるだけである。 上記の概観的な大きめの紙のコンセプトノートに、マインドマップ的な雰囲気で 書いたのを改めて、ネットで文章化した。言いたいことの雰囲気くらいは伝わると 考えられる。 やはり、ネックは軍事かな、と。世の中の人が俺氏みたいな平和主義者の人間だけで 構成されているのなら、ピストル1丁さえ不要な世の中になるのだが、世界は、 ドンパチやりたがる狂人ばかりなので、そういう遺伝子を淘汰させるようなゲノム編集 技術とかあると、軍事の不要な世界も夢物語ではなくなるかもしれない 環境技術の発展によって、環境問題は解決されるというテクノロジー的な楽観が よくみられるが、事実はその逆である。テクノロジーの進化は、むしろ、環境を悪化させる 機制を有しているのである。この辺りの事情をグラフ理論的なものを使って簡単に 説明してみよう。 まず、変数を用意してみよう。それぞれ変数X,変数Y,変数Zと置く。 変数の間に因果関係が認められ、かつ、因果の向きが分かっている場合は その関係を有向(Directed)と呼んで、向きがあることを表す。変数間に因果が あるのは分かっているが、その因果の向きが不明の場合は無向(Undirected)と呼び、 矢印ではなく、ただの直線で変数間を結ぶ 今回は向きがある変数だけを扱うので、有向の矢印だけで変数の関係を表す。 また変数には、値が観測できている観測変数(observed variable)と変数が 観測できない未観測変数(nuobserved variabl)がある。今の東京の天気なら 観測変数になるが、一週間後であれば、未観測変数になる。 変数間の因果推論をする場合、自分自身への因果が存在するケースは、因果推論 では基本的には扱わないルールがある ここではごく単純化して、テクノロジーの進化を変数Xで表す。変数Yは、そうした テクノロジーの進化が世界的に普及した状態を指す。変数Zは、そのテクノロジーを 使って、新たな地球資源開拓、開発を行ったり、人々がテクノロジーを利用することで、 より大きな地球資源を消費している状態を指す。たとえば、テクノロジーの進化に よって安価な大型の有機ELデバイスを大量に生産できるようになったとする。 その結果、世界中の人々が大型の有機ELディスプレイでテレビを見るようになり、 そのことでレアアースや電力の消費量が劇的に増えて、環境負荷をより大幅に 高めることとなった。この状態が最後尾にある変数Xへ向かって循環しながら、 自己フィードバックしている状態を示したの以下のグラフである。 X → Y → Z → X (巡回グラフ、あるいは循環グラフ) つまり、テクノロジーの発展や進化は、この循環グラフを強化していくような形で、 自己フィードバックがかかるのである。この例で分かるように、テクノロジーの進化によって、 世界中の人々はその利便性や快適さの恩恵にあずかろうとするため、そのことで結果的には より多くの地球資源を消費したり、さらなる開発が発生するという自己フィードバックが 作用してしまうのである。よって、環境技術によって、環境負荷を下げる個別領域も確かに あるが、総体としての環境技術を含めたテクノロジーの発展は、地球環境を顕著に害する ように作用しているというのが、産業革命時代からのテクノロジーの進化の歴史を顧みれば、 自ずと明らかなことが分かるであろう。 イノベーションについても同様であり、そうした合理化や効率化で生じた空いた資源は、 すぐさま、他の新たなニーズや欲望、快楽さの享受や志向のために消尽されてしまうもの なのである。これは、空き地があれば、すぐに何か建物が立つのと同じである。儲かるので あれば、気候変動や温暖化を無視して、今の日本のようにタワマンをどんどん建てまくる ことだろう。 よって、テクノロジーの発展と進化は地球環境の負荷を高める、が正しい認識となる。 もっと分かりやすい例は医療である。医療テクノロジーの発達で、環境負荷の高い先進国の人々の寿命がどんどん伸びて、平均寿命が200歳になった世界線でも想像したら良い。それは、地球環境に今以上のより大きな深刻なダメージを与えることだろう。 また医療の発達で、人がなかなか死ななくなるだけでなく、安全な出産も確保出来、生殖技術による不妊治療など含めて地球人口は、環境収容力をすでに超過していると考えられる。 いずれにせよ、医療テクノロジーの発展は、地球環境に高負荷を与えていることだけは確かである。また、創薬や高度な医療機器、臨床研究自体に莫大な地球環境リソースを喰っているのも当然のことである。つまり、環境負荷の高い先進国の人々の長生きは、環境に顕著に悪いのである。日本人は世界で一番長寿であるため、世界で一番環境負荷の高い民族であると言える。それなのに世界で最も環境意識が低いのが日本人なのである。 資本主義の問題としてあるのは、そこに生態学的な再生産という補充や回復の方策を ほとんど有していないことである。地球から資源を盗み、そのまま、それを利潤を得られる 商品にしているのが資本主義システムである。アラブの王族や石油王は、地球資源を 我が者としているが、原油は地球資源なので、本来は地球で存在している者すべてが シェアすべき共有財産なのではないだろうか。なぜ、一部の人間だけが地球資源を 占有できるのか、資本主義はその根本から間違っているのである。 よって、こうした倫理に反した資本主義システムを暴走させれば、地球資源は乱開発、 乱獲されまくり、生態系や生物多様性のバランスは狂い、グローバル・サウスからの 労働力と資源の搾取、掠奪は続き、それに加えて人体に有害な廃棄物処理は グローバル・サウスの地域へと追いやられ、それが未来の世代まで負債や公害、土壌や 水質汚染、気候変動となって連鎖的に災いしてくるのである。要するに、資本主義は 生態学的再生産を全く考慮することなく、人倫にも配慮することなく、地球資源に フリーライドして巨富を蓄積しているのである。 多くの愚かな人々は、資本主義に洗脳された状態なので、こうしたおかしさにさえ、 普段から意識が全く向かわないのである。 日本ではまだマスクをしている人々が多いが、コロナのパンデミックも資本主義システムが 生み出した人災である。森林伐採、乱開発、乱獲によって、生物相のバランスが狂い、 野生動物の棲息領域が奪われたことで、人間と生存空間が近距離となり、コウモリの ウイルスが穿山甲を媒介にして、病原体が人類に拡散したのである。 今の資本主義システムは、精妙なバランスで形成された生物相や自然を顕著に破壊する ので、これから益々、生物由来の災害も頻発するようになる。熊や雪虫、カメムシどころの騒ぎ ではなく、もっと甚大なレベルでの広範な被害をこれから日本社会にも引き起こすことであろう。 その原因は、当然ながら、今の強欲資本主義システムにある。そのことに気付けないのが 我欲に溢れた強欲資本主義者であり、死に至る病なのである ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 07.5.5 2024/06/08 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる