気候変動時代におけるC/2モデルとは何か?

現代の資本主義に欠陥が多いことはよく指摘されている。たとえば、
斉藤幸平などが言うように、グローバル・サウスからの資源や低賃金労働力、
あるいは、児童労働力の搾取などによって成立している。また、先進国が排出
する二酸化炭素や排気ガスは、そうしたグローバル・サウスの国々へ転嫁、
外部化されているため不可視になっている。我々先進国の人間は、自分たちの
快適な生活を維持するために、その負荷やツケを貧しいグローバル・サウスの
人々やまだ生まれていない将来世代へと無責任に押し付けているのである。 

よって、現代の資本主義が矛盾をきたし、生態系学的な観点からもこれ以上
持続可能でないことは明らかである。そこで一つの提案として、私は資本主義
システムに代わる、「C/2モデル」というのを提案してみたい。

これはキャピタリズムC1とコミュニズムC2的な要素をかけ合わせて2で
割ったようなハイブリッド型の新しい経済社会モデルである。現代では社会の
あらゆる領域に「資本の論理」が侵食してしまい、コモンズの領域や公共善、
良き地域コミュニティ、豊かな非経済の論理や感性が消尽した人心の荒廃
しきった冷たい社会になってしまっている。

C/2モデルは生態系を破壊し尽くす資本の暴走を制御し、グローバル・サウスから
の掠奪をやめ、フェアトレードの重視や食品ロスの少ない環境負荷の低い社会を
目指すものである。地産地消といった地域循環型の経済社会モデルなども回復
していくようにすれば良いだろう。また大量消費や広告による欲望喚起、大量の 
排出や廃棄を生む現行のモノ重視の資本主義から、禅などの精神性を重視する
価値観へとシフトすることも求められるであろう。